夜になっても獄寺が帰る気配はなかった。
「ボンゴレ狩りが激化している今、余談を許さない状況だ。予定通りに事を運ぶぞ」
リボーンが一同を見回しながら言った。
談話室に集うは山本、フゥ太、ビアンキ、ランボ、イーピンそれに幸子。
「リボーン君、獄寺君が……」
「隼人なら大丈夫。そんなにヤワな子じゃないわ」
ビアンキが幸子の肩をポンと叩いて言い、それからリボーンを見た。
「リボーン、話を進めて」
「ああ。これからオメーらのやるべき事を伝えるぞ。まずは山本」
「おう！」
「お前は門外顧問からの使者を迎えにいけ」
「任せろ、小僧」
山本がニカッと笑った。
「イーピンにランボ。お前達は京子とハルをここまで無事に連れ帰るんだ」
「はい、リボーンさん」
「えええ!? 俺も行くんですか!!?」
「当たりめーだ。さっさと行ってこいアホ牛！」
ゴキッ！とリボーンのキックがランボの尻に炸裂した。
「が、ま、ん～」
「ビアンキとフゥ太はミルフィオーレについての情報収集をしてくれ」
「うん、分かったよ」
「任せてちょうだい。愛しい人」
フゥ太とビアンキが頼もしげに頷いた。
「最後に幸子」
「はい」
一体何を言い渡されるんだろう。
「お前は俺と一緒にここで待機だ」
「えっ…!?」
なんだか拍子抜けしてしまった。
自分だけじっとなんてしていられない。
「私も役に立ちたいよっ。なにかさせて！」
「ダメだ。今のお前じゃどこへやっても足手まといになる」
「っ!!」
はっきり言われてしまえば何も言い返せない。
確かに戦う力も持たない自分では、皆の足を引っ張るだけだ。
「幸子、あなたには雲雀恭弥の帰りを待つという大事な仕事があるわよ」
「ビアンキさん…」
"待つ"
雲雀の事に限らず今自分が出来るのはそれしかないのなら――‥
「みんな、気を付けて」
私はみんなを信じて待てばいい。