苧環の花束
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青年と並んで歩きながら、幸子はずっと気になっていた事を尋ねた。
「あの…用事があったんじゃないんですか?」
「なんで?」
「だって、それ…」
と青年の抱える花束に視線を向ける。
「ああ、これ? はい、あげるよ」
「ええっ!? いいんですか!!?」
「うん。元々君にプレゼントする予定だったし。…いや、違うな。君と恋人クンにプレゼント…かな」
「?」
幸子は意味が分からずに青年と花束を交互に見た。
少し形の変わった紫色の可愛らしい花だ。背は低く、あまり花束向きではないのかもしれない。
「ありがとうございます。キレイですね」
「"苧環"っていうんだよ」
「オダマキ…」
初めて聞く花の名だ。
「君には"花"を、恋人クンには花の"色"をプレゼントするよ」
「色…ですか?」
「…そ♪」
花の色をプレゼントとは面白い。確かに偶然にも苧環の花の色…"紫"は雲雀のイメージにぴったりくる。
「ありがとうございます。えっと……」
そこでハッとした。
「そういえば、まだ名乗りあってなかったですね。木梨幸子です」
「幸子チャンかー。僕はね…」
"ひばり"
「え……っ!?」
ドクン―‥と胸が鳴った。
「僕は"ひばり"だよ」
瞬間、愛しい恋人の顔が脳裏に浮かんだ。
「幸子チャン、どうしたの?」
「あ、ご、ごめんなさい。なんでもないです…」
動揺を悟られまいと俯いた。まさか…"ひばり"に会うなんて。
ダメだ。その名を聞いただけで動揺してしまうような、そんな気持ちで青年といるのはよくない。それに雲雀にも申し訳ない。
「あっ、あの…やっぱり私……!?」
顔を上げてひばりを見た幸子は硬直した。遠くを見る彼の藤色の瞳が冷たい光を放っていたからだ。
しかしそれは気のせいだと思える程に一瞬の出来事で、幸子を振り向いた時にはもう、いつもの彼だった。
「ごめん、幸子チャン。急用が出来ちゃった。ティーブレイクはまたの機会にね」
「は、はい…」
「バイバーイ♪」
「行っちゃった…」
遠ざかるひばりの背中を見送りながら呟くと、自分を呼ぶ知った声。
「幸子!!」
振り返るとボンゴレ嵐の守護者 獄寺隼人が立っていた。
「あの…用事があったんじゃないんですか?」
「なんで?」
「だって、それ…」
と青年の抱える花束に視線を向ける。
「ああ、これ? はい、あげるよ」
「ええっ!? いいんですか!!?」
「うん。元々君にプレゼントする予定だったし。…いや、違うな。君と恋人クンにプレゼント…かな」
「?」
幸子は意味が分からずに青年と花束を交互に見た。
少し形の変わった紫色の可愛らしい花だ。背は低く、あまり花束向きではないのかもしれない。
「ありがとうございます。キレイですね」
「"苧環"っていうんだよ」
「オダマキ…」
初めて聞く花の名だ。
「君には"花"を、恋人クンには花の"色"をプレゼントするよ」
「色…ですか?」
「…そ♪」
花の色をプレゼントとは面白い。確かに偶然にも苧環の花の色…"紫"は雲雀のイメージにぴったりくる。
「ありがとうございます。えっと……」
そこでハッとした。
「そういえば、まだ名乗りあってなかったですね。木梨幸子です」
「幸子チャンかー。僕はね…」
"ひばり"
「え……っ!?」
ドクン―‥と胸が鳴った。
「僕は"ひばり"だよ」
瞬間、愛しい恋人の顔が脳裏に浮かんだ。
「幸子チャン、どうしたの?」
「あ、ご、ごめんなさい。なんでもないです…」
動揺を悟られまいと俯いた。まさか…"ひばり"に会うなんて。
ダメだ。その名を聞いただけで動揺してしまうような、そんな気持ちで青年といるのはよくない。それに雲雀にも申し訳ない。
「あっ、あの…やっぱり私……!?」
顔を上げてひばりを見た幸子は硬直した。遠くを見る彼の藤色の瞳が冷たい光を放っていたからだ。
しかしそれは気のせいだと思える程に一瞬の出来事で、幸子を振り向いた時にはもう、いつもの彼だった。
「ごめん、幸子チャン。急用が出来ちゃった。ティーブレイクはまたの機会にね」
「は、はい…」
「バイバーイ♪」
「行っちゃった…」
遠ざかるひばりの背中を見送りながら呟くと、自分を呼ぶ知った声。
「幸子!!」
振り返るとボンゴレ嵐の守護者 獄寺隼人が立っていた。