風紀委員長の遠征
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雲雀に連れられやって来たのは並盛神社。
その裏山にあるバンガロー……雲雀の修行に付き合った時に滞在した場所だ。
「恭弥、ここ…」
「食材はあるし、必要なものは全て揃ってる」
荷物を置きながら雲雀が言った。
リビングにダイニングキッチン、寝室がひとつという構成のそこは、山中とは思えない程快適な空間である事を幸子は身を持って知っている。
またここで雲雀と過ごせるのは嬉しい。しかし―‥
「ねっ、恭弥。また修行するの?」
そうなのだ。なぜまたここに来たのかが解らない。
「ん…?」
「私、なんでここに来たのかまだ解ってなくて。そういえば、"遠征"に行くって言ってたよね?」
「行くよ」
「どこに行くの?」
まさか遠征場所がここである事はないだろう。
「黒曜」
「黒曜って、まさか恭弥…っ、きゃっ!」
六道骸と戦いに…!?
そう告げようとした幸子の言葉は、そんな質問は愚問だと言わんばかりに眉を潜めた雲雀に腕を引かれた事で、遮られた。
「でもその前に…」
そのままソファーに座らせられると、隣に横になった雲雀の頭が幸子の両太股の上に乗せられる。
「寝る」
雲雀が目を閉じた。
「恭弥?」
「……」
「恭弥ってば」
「うるさいな。僕は寝不足なんだ。少し眠らせて」
目を閉じたまま雲雀が言い、次の瞬間にはもう小さな寝息が聞こえてきた。…本当に、寝てしまったらしい。
普段の強い雲雀からは想像できないような、少し幼くみえるその寝顔に、幸子は思わず笑みを洩らした。
雲雀の髪を撫でてみるが、彼が起きる気配はない。
眠りの浅い彼が、こうして自分の前で何の警戒心もなく眠ってくれている事実が素直に嬉しい。
ここで修行していた時も、シモンの縄張りで夜を明かした時も、雲雀はずっと幸子を守って傍にいてくれた。
そして今日も。
なぜ雲雀が黒曜に遠征に行く前に、幸子を連れてここへ来たのかが解った。
これは"休息"だ。
壮絶な戦いからいつもの日常に戻る前の。
因縁の相手である六道骸との決着をつけに、雲雀は今すぐにでも黒曜に向かいたいハズだ。
それをせずに、まずはこうして幸子と休息を取りに来たのは――‥
幸子はその意味を考えるだけで胸が熱くなる。
「ありがとう 恭弥」
私を愛してくれて。
私を大切に想ってくれて。
雲雀の唇に、そっと触れるだけの口づけをした。
『ヒバリ ユキコ』
旅行用鞄に停まっていたヒバードが、パタパタと飛んで幸子の肩の上に降りる。
顔を上げた幸子が、その小さな黄色い鳥をふかふかと撫でてやると、ヒバードはまるくなって目を閉じた。
そっと雲雀の指に自分の指を絡める。
雲雀が起きたらすぐに昼食の仕度をしよう。それからのんびりと2人きりの時間を楽しむのだ。
雲雀の寝息に誘われるように、幸子も幸せに包まれながら眠りへと誘われていった。
その裏山にあるバンガロー……雲雀の修行に付き合った時に滞在した場所だ。
「恭弥、ここ…」
「食材はあるし、必要なものは全て揃ってる」
荷物を置きながら雲雀が言った。
リビングにダイニングキッチン、寝室がひとつという構成のそこは、山中とは思えない程快適な空間である事を幸子は身を持って知っている。
またここで雲雀と過ごせるのは嬉しい。しかし―‥
「ねっ、恭弥。また修行するの?」
そうなのだ。なぜまたここに来たのかが解らない。
「ん…?」
「私、なんでここに来たのかまだ解ってなくて。そういえば、"遠征"に行くって言ってたよね?」
「行くよ」
「どこに行くの?」
まさか遠征場所がここである事はないだろう。
「黒曜」
「黒曜って、まさか恭弥…っ、きゃっ!」
六道骸と戦いに…!?
そう告げようとした幸子の言葉は、そんな質問は愚問だと言わんばかりに眉を潜めた雲雀に腕を引かれた事で、遮られた。
「でもその前に…」
そのままソファーに座らせられると、隣に横になった雲雀の頭が幸子の両太股の上に乗せられる。
「寝る」
雲雀が目を閉じた。
「恭弥?」
「……」
「恭弥ってば」
「うるさいな。僕は寝不足なんだ。少し眠らせて」
目を閉じたまま雲雀が言い、次の瞬間にはもう小さな寝息が聞こえてきた。…本当に、寝てしまったらしい。
普段の強い雲雀からは想像できないような、少し幼くみえるその寝顔に、幸子は思わず笑みを洩らした。
雲雀の髪を撫でてみるが、彼が起きる気配はない。
眠りの浅い彼が、こうして自分の前で何の警戒心もなく眠ってくれている事実が素直に嬉しい。
ここで修行していた時も、シモンの縄張りで夜を明かした時も、雲雀はずっと幸子を守って傍にいてくれた。
そして今日も。
なぜ雲雀が黒曜に遠征に行く前に、幸子を連れてここへ来たのかが解った。
これは"休息"だ。
壮絶な戦いからいつもの日常に戻る前の。
因縁の相手である六道骸との決着をつけに、雲雀は今すぐにでも黒曜に向かいたいハズだ。
それをせずに、まずはこうして幸子と休息を取りに来たのは――‥
幸子はその意味を考えるだけで胸が熱くなる。
「ありがとう 恭弥」
私を愛してくれて。
私を大切に想ってくれて。
雲雀の唇に、そっと触れるだけの口づけをした。
『ヒバリ ユキコ』
旅行用鞄に停まっていたヒバードが、パタパタと飛んで幸子の肩の上に降りる。
顔を上げた幸子が、その小さな黄色い鳥をふかふかと撫でてやると、ヒバードはまるくなって目を閉じた。
そっと雲雀の指に自分の指を絡める。
雲雀が起きたらすぐに昼食の仕度をしよう。それからのんびりと2人きりの時間を楽しむのだ。
雲雀の寝息に誘われるように、幸子も幸せに包まれながら眠りへと誘われていった。