風紀委員長の遠征
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ジュリーはその網に魚のように捕らえられ、身動き出来なくなってしまった。
「うわっ!なんだコレ!?」
「か、加藤さん!?」
「加藤ジュリー!セクハラ容疑で粛清する!!」
見覚えある『粛清』腕章。
怒りの表情と共に登場した鈴木アーデルハイトが、取り押さえたジュリーを睨み付けた。
「アーデル離せって!!」
「全く…油断も隙もあったものじゃないわ」
網の中でジタバタともがくジュリーを一瞥したアーデルハイトが腰に手をあてながら呟いた。
助けてもらった…と言う解釈で良いのだろうか。
「あの、ありがとうございました」
「木梨幸子!?」
ジュリーの御用に夢中になっていて、彼が言い寄っていた女子が幸子であると今気づいたらしい。
「礼には及ばない。私は規律を乱した者に罰を与えているだけだ」
「そうだとしても、助けてもらった事には変わりないから…」
「!」
幸子が笑顔でそう告げると、アーデルハイトは僅かに驚いた様子を見せた。
それからアーデルハイトはおもむろに幸子に頭を下げる。
「木梨幸子。雲雀恭弥を挑発する為とは言え、あなたにした数々の無礼を詫びる」
それは屋上で人質にされた時の話だろう。
彼女の行動に戸惑ってしまい、幸子は慌てて首を左右に振ると、一気に捲し立てた。
「頭を上げて下さいっ!恭弥を挑発したのって理由があってやった事なんですよね?それなら仕方ないというか…。いえ、恭弥が挑発されるのは嫌なんだけど…でも 私自身の事に関して言えば もう全然気にしてないので大丈夫です」
アーデルハイトは一瞬 きょとんとしたような表情でこちらを見た。それからフッとその口元を緩める。
「本当に不思議な子ね…。雲雀恭弥があなたを愛しく想う気持ちが分かるわ」
「っ…」
なんだか照れてしまい、幸子はぼわっと一気に赤くなった。
それを見てアーデルハイトはまた微笑んだ。
「っひょー!赤くなってる幸子ちゃん可愛いー!!」
「!!?」
ブチッ
「粛として清まりなさい!」
「イデッ!や、やめろってアーデル!!」
哀れジュリーは、嫉妬したアーデルハイトの鞭の餌食に…。
何だかんだで仲の良い2人なのだ。
「ところで…」
と、気を取り直したアーデルハイトが今度は幸子を睨んだ。
「木梨幸子。その私服。あなたは何処へ行くつもり?今日は学校のはずよ」
「あ、えっ…と…私も何処へ行くのか分からなくて」
雲雀の指示でこうなった、とも言えずしどろもどろになる。
「サボるつもりなら、規律を乱したと受け取る」
「僕が許可したんだよ」
割り込んできた声の主は――‥
「恭弥!」
「幸子の外出は、風紀委員長として僕が許可している」
いつの間にか雲雀がそこに立っていた。しかも驚くべき事に、ライムグリーンのTシャツに真っ白なシャツを重ね着し、小豆色のジーンズを履いた私服姿の雲雀である。
『ユキコ ユキコ』
「ヒバード…!」
パタパタと空を飛んでいたヒバードが、幸子の肩にぽふっと着陸した。
この小さな鳥は本当にかわいらしい。
「行くよ」
雲雀は幸子の用意した旅行用鞄を手に持つと、空いた方の手で幸子の手を掴んだ。
それに伴い自然に動き出す幸子の足。
「待ちなさい、雲雀恭弥。何処へ行くつもり?」
アーデルハイトの声に、振り返った雲雀は涼しい顔で答えた。
「遠征だよ」
「遠征?」
「それより 帽子の君」
網に捕らわれたジュリーに鋭いまなざしを向ける。
「今度僕のものに手を出したら…咬み殺すよ」
言い放つと、幸子を連れてその場を後にした。
「うわっ!なんだコレ!?」
「か、加藤さん!?」
「加藤ジュリー!セクハラ容疑で粛清する!!」
見覚えある『粛清』腕章。
怒りの表情と共に登場した鈴木アーデルハイトが、取り押さえたジュリーを睨み付けた。
「アーデル離せって!!」
「全く…油断も隙もあったものじゃないわ」
網の中でジタバタともがくジュリーを一瞥したアーデルハイトが腰に手をあてながら呟いた。
助けてもらった…と言う解釈で良いのだろうか。
「あの、ありがとうございました」
「木梨幸子!?」
ジュリーの御用に夢中になっていて、彼が言い寄っていた女子が幸子であると今気づいたらしい。
「礼には及ばない。私は規律を乱した者に罰を与えているだけだ」
「そうだとしても、助けてもらった事には変わりないから…」
「!」
幸子が笑顔でそう告げると、アーデルハイトは僅かに驚いた様子を見せた。
それからアーデルハイトはおもむろに幸子に頭を下げる。
「木梨幸子。雲雀恭弥を挑発する為とは言え、あなたにした数々の無礼を詫びる」
それは屋上で人質にされた時の話だろう。
彼女の行動に戸惑ってしまい、幸子は慌てて首を左右に振ると、一気に捲し立てた。
「頭を上げて下さいっ!恭弥を挑発したのって理由があってやった事なんですよね?それなら仕方ないというか…。いえ、恭弥が挑発されるのは嫌なんだけど…でも 私自身の事に関して言えば もう全然気にしてないので大丈夫です」
アーデルハイトは一瞬 きょとんとしたような表情でこちらを見た。それからフッとその口元を緩める。
「本当に不思議な子ね…。雲雀恭弥があなたを愛しく想う気持ちが分かるわ」
「っ…」
なんだか照れてしまい、幸子はぼわっと一気に赤くなった。
それを見てアーデルハイトはまた微笑んだ。
「っひょー!赤くなってる幸子ちゃん可愛いー!!」
「!!?」
ブチッ
「粛として清まりなさい!」
「イデッ!や、やめろってアーデル!!」
哀れジュリーは、嫉妬したアーデルハイトの鞭の餌食に…。
何だかんだで仲の良い2人なのだ。
「ところで…」
と、気を取り直したアーデルハイトが今度は幸子を睨んだ。
「木梨幸子。その私服。あなたは何処へ行くつもり?今日は学校のはずよ」
「あ、えっ…と…私も何処へ行くのか分からなくて」
雲雀の指示でこうなった、とも言えずしどろもどろになる。
「サボるつもりなら、規律を乱したと受け取る」
「僕が許可したんだよ」
割り込んできた声の主は――‥
「恭弥!」
「幸子の外出は、風紀委員長として僕が許可している」
いつの間にか雲雀がそこに立っていた。しかも驚くべき事に、ライムグリーンのTシャツに真っ白なシャツを重ね着し、小豆色のジーンズを履いた私服姿の雲雀である。
『ユキコ ユキコ』
「ヒバード…!」
パタパタと空を飛んでいたヒバードが、幸子の肩にぽふっと着陸した。
この小さな鳥は本当にかわいらしい。
「行くよ」
雲雀は幸子の用意した旅行用鞄を手に持つと、空いた方の手で幸子の手を掴んだ。
それに伴い自然に動き出す幸子の足。
「待ちなさい、雲雀恭弥。何処へ行くつもり?」
アーデルハイトの声に、振り返った雲雀は涼しい顔で答えた。
「遠征だよ」
「遠征?」
「それより 帽子の君」
網に捕らわれたジュリーに鋭いまなざしを向ける。
「今度僕のものに手を出したら…咬み殺すよ」
言い放つと、幸子を連れてその場を後にした。