風紀委員長の遠征
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夜のしじまに包まれた並盛中学校。
まるで闇夜に輝く一番星のように、応接室だけが煌々と灯りを点していた。
「で、では木梨は無事だったんですね!?」
風紀委員特有の長ラン姿の草壁が、前方の執務机に着く雲雀に向かい興奮したように言った。
「うん。僕が幸子を家まで連れて帰ったからね」
「そうですか…本当に良かった」
執務椅子に深く背中を預けた雲雀が応えると、草壁は心底安心したように息を吐いた。
ヘリコプターで雲雀を送り届けた後、草壁は雲雀の言いつけ通り幸子が無事に帰宅したか確かめに木梨家を訪れた。しかし応対した幸子の母親から聞かされたのは、帰宅していないという事実。
慌てた草壁は、並中を始めとして並盛神社、その裏手の山中にある雲雀が修行に使ったバンガロー、商店街…思い当たる限りの場所を探し回った。
敬愛する雲雀が愛している女性ならば、彼にとっても大切な人であるのだ。
幸子の姿は何処にもなく、彼女に何かあった事が明白になり、草壁は最後の手段を使った。…即ち、雲雀にこの事実を報告したのだ。
『幸子なら僕といるよ』
電話腰に雲雀の言葉を聞いた瞬間、どれだけ安堵したことだろう。
同時に、なぜ並盛にいた彼女がシモンの縄張りに…?という疑問も沸いたが。
それでもとにかく幸子は無事だった!
「副委員長」
「何でしょう」
「喜びすぎだよ」
「はい…?」
気がつけば、なぜか雲雀は不機嫌そうで。
「まさか君、幸子に好意を持ってるの?」
「めめめ滅相もありません!!! あっ、いえ、好意は持っていますがそういう意味では…!!」
慌てた草壁がブンブンと首を左右に振り否定する。雲雀はフンと鼻を鳴らして草壁を一瞥した。
幸子の事となると雲雀は本当に沸点が低い。
「と、所で委員長、次回の持ち物検査の件ですが…」
草壁が話題をすり替える。
「持ち物検査は中止だよ」
椅子から立ち上がりながら雲雀が言った。
「中止ですか…?」
「僕は少しの間 並中を留守にするからね」
愛校精神の塊のような雲雀が学校を空けるとは珍しい話だ。
「何か大切なご用でも?」
「遠征に行く」
「遠征…一体どちらへ?」
草壁の問いに、雲雀は窓の外に目をやった。夜空に輝く満天の星が見える。
幸子はもう眠っただろうか…。
沢田達に笑顔を見せてはいたが、かなりショックを受けていた。
「黒曜中の風紀を正しに」
まるで闇夜に輝く一番星のように、応接室だけが煌々と灯りを点していた。
「で、では木梨は無事だったんですね!?」
風紀委員特有の長ラン姿の草壁が、前方の執務机に着く雲雀に向かい興奮したように言った。
「うん。僕が幸子を家まで連れて帰ったからね」
「そうですか…本当に良かった」
執務椅子に深く背中を預けた雲雀が応えると、草壁は心底安心したように息を吐いた。
ヘリコプターで雲雀を送り届けた後、草壁は雲雀の言いつけ通り幸子が無事に帰宅したか確かめに木梨家を訪れた。しかし応対した幸子の母親から聞かされたのは、帰宅していないという事実。
慌てた草壁は、並中を始めとして並盛神社、その裏手の山中にある雲雀が修行に使ったバンガロー、商店街…思い当たる限りの場所を探し回った。
敬愛する雲雀が愛している女性ならば、彼にとっても大切な人であるのだ。
幸子の姿は何処にもなく、彼女に何かあった事が明白になり、草壁は最後の手段を使った。…即ち、雲雀にこの事実を報告したのだ。
『幸子なら僕といるよ』
電話腰に雲雀の言葉を聞いた瞬間、どれだけ安堵したことだろう。
同時に、なぜ並盛にいた彼女がシモンの縄張りに…?という疑問も沸いたが。
それでもとにかく幸子は無事だった!
「副委員長」
「何でしょう」
「喜びすぎだよ」
「はい…?」
気がつけば、なぜか雲雀は不機嫌そうで。
「まさか君、幸子に好意を持ってるの?」
「めめめ滅相もありません!!! あっ、いえ、好意は持っていますがそういう意味では…!!」
慌てた草壁がブンブンと首を左右に振り否定する。雲雀はフンと鼻を鳴らして草壁を一瞥した。
幸子の事となると雲雀は本当に沸点が低い。
「と、所で委員長、次回の持ち物検査の件ですが…」
草壁が話題をすり替える。
「持ち物検査は中止だよ」
椅子から立ち上がりながら雲雀が言った。
「中止ですか…?」
「僕は少しの間 並中を留守にするからね」
愛校精神の塊のような雲雀が学校を空けるとは珍しい話だ。
「何か大切なご用でも?」
「遠征に行く」
「遠征…一体どちらへ?」
草壁の問いに、雲雀は窓の外に目をやった。夜空に輝く満天の星が見える。
幸子はもう眠っただろうか…。
沢田達に笑顔を見せてはいたが、かなりショックを受けていた。
「黒曜中の風紀を正しに」