XmasStory 2019
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12月24日
世間はクリスマスムードで 街を歩けば
飾り付けられた街路樹にイルミネーションに
仲良さげなカップル…カップル…カップル
仕事疲れにさらに疲労が重なる中
愛しの我が家へと 少し早足で歩いていれば 余り物であろう男達に声をかけられる
「ハァ…」
だいたい同じ内容なので そろそろ聞き飽きた
男達の声も 街の喧騒も ただ聞き流していたら
「おい、お前ら
女1人囲んで何してやがる」
「げっ、真選組」
男達は罰が悪そうに 去っていった
「あ、ありがとうございます」
助け船を出してくれた新選組の方にとりあえずお礼をと思い横に来たその方に礼を述べる
「おう。
あんまりボーッとしてんじゃねぇぞ」
仏頂面だが顔の整った 少しタバコの香りがする人だった
「はい、 お仕事ご苦労さまです
それじゃ…」
その場から立ち去ろうとしたら腕を掴まれた
「待て、この時間に女1人で帰らせるわけにも行かねぇ
今日は浮かれたやつが多すぎる
家の近くまで同行させてもらう」
「…はぁ。」
多分近くだと嘘をついても 身分証を出せと言われたら すぐバレるので諦めることにした
なにより 早く帰りたい
「じゃあ途中までお願いします」
「あぁ。」
そこからは特に会話はなかった
ただ2人で並んで歩く
顔の整った方だからか、 真選組の隊服を来ているからか
時折視線が痛かったが 繰り返し向けられる度に
疲労が重なり
どんどん、どうでも良くなってきた
早くベッドに飛び込みたい
今日はきっとぐっすり眠れるだろうなぁとぼんやり考えながら歩く
目の前を白い華がチラつき始めた
足を止めて 空を見上げる
「雪、降ってきましたね
そりゃ寒いわけだ…」
「ああ、そうだな」
より一層 雪が強く降り始める
手袋をした手のひらに落ちては消える
「積もりますかね…?」
「積もらねぇで欲しいもんだがな」
「雪、お嫌いなんですか?」
「見てるのは嫌いじゃねぇんだがな…」
「寒さに弱い…とかですか?」
「まぁ、そんなとこだ…」
少しだけ と2人で雪を眺めた
「そういやぁ、お前さん名は?」
「優です」
「そうか、俺は土方だ」
「土方さん……
んー、どこかで聞いた気がします」
「そうかい
タバコ吸ってもいいか?」
「ええ、どうぞ」
返答を聞くやいなや 胸ポケットからタバコを取り出し火をつける
「それ、面白いライターですね」
マヨネーズ型のライターを指さす
「あぁ、お気に入りでな」
少し嬉しそうに笑うので
少し驚いて 見惚れてしまっていた
「どうかしたか?」
「あ、いえ
いいですね、それ」
「だろう」
土方がタバコを吸い終わると
2人は雪の舞う中 帰路を歩き始めた
「ありがとうございました
すぐソコなのでここで大丈夫です」
「そうか
気をつけてな 優」
「は、はい…
あ、おやすみなさい」
名前を呼ばれるとは思ってなかったので
ドキッとした
なんだか気恥ずかしくて 早足でアパートに入る
「土方さん……
また会える…かな?」
嬉しそうに笑う顔を思い浮かべながら
玄関で 少し暖かい頬に触れながら
想いにふけった
END