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この世に産まれいでてより200年
体は朽ちることも無く
一定までしか成長しない
化け物として阻害されるのももうすっかり慣れてしまった
山を隔てた隣村からやってきた
吉田 優という少女は
この村に来たその日 私への暴行を目撃し阻止しようとした為に
私と共に小さな小屋へと閉じ込められた
村人の憂さ晴らしの暴力は少女にも及んだ
最初はなんとも思わなかった
ただ目の前で少女が暴行される様を虚ろげに見ているだけだった
ただ少女は村人が去れば
私に名を与え 外の世界を語ってくれた
今までろくに人と向き合い話などしたことは無かった
彼女が初めてだった
1日1度だけ与えられる 残飯と暴力の雨に
彼女は少しづつ衰えていった
村人の暴力に耐えきれなくなった彼女はぐったりと横たわったまま
動かなくなった時
「いつかこの小屋から出て旅をするといいわ、松陽。 ずっとここに居るのはもったいないわよ!」
いつかの笑顔と言葉が浮かび
気付けば もう動かない少女を抱え 血まみれで 森の中にいた
初めて涙が溢れた
声を上げて泣いた
泣き疲れてその場で呆然としていると朝
日の眩しさに目が眩んだ
人が亡くなったあとは土に埋葬するのだと言っていた事を思い出し
松の木下で素手で穴を掘り進めた
優
名をくれてありがとう
話をしてくれてありがとう
守ろうとしてくれてありがとう
何より出逢えてよかった
本当にありがとう
いつかもう一度 廻り逢えるなら
今度は私が助けよう
END