バレンタイン 2020
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ーーー2月13日
夕食を終え子供達に 消灯を伝えに来たら
研究室フロアの厨房が賑やかそうなので
覗いて見たら
「何やってるんですか〜?」
「優様 見ちゃダメーっ!」
「あら…」
あっさり追い返された
あまり遅くならないようにとだけ告げて
少し寂しく思いながら 船内を歩いていると
大量の袋を抱えたまた子と遭遇した
「重そうですね 手伝いましょうか?」
「あ、優様!
お願いしてもいいっすか?」
「もちろん」
袋をいくつか受け取りちらっと中身を確認すれば板チョコが大量に入っていた
「チョコレート…ですか?」
「バレンタインっすからね!」
「あー、なるほど!!」
「忘れてたんっすね…」
「あちこち飛び回ってると イベント事には疎くなってしまいますね
でもこんなにたくさん作るのですか?」
「あ、いや、 そうじゃないっす
恥ずかしながら 料理下手なんすよね…」
「暇してましたのでぜひ手伝わせて下さい」
「優様、ありがとうございますっす!」
「えぇ」
食堂の厨房で材料を開けてみれば
クッキーの元だったり プチケーキの元なり
色々試す気だったのが伺える
「で、誰に贈るのですか?」
「武市先輩に毒味させて
大丈夫そうなら 晋助様と優様にと…思ってたっす」
「あはは…」
武市が悶える姿が目に見えてしまった
「クッキーから作ってみましょう!」
「はいっす!」
「せっかくですから
プレーンと チョコレートと2種類作りましょうか」
「そうっすね!」
少し危なっかしい所はありつつも
型抜きが楽しいようで 綺麗に抜けては見せてくれる
何だか微笑ましい時間だった
まだまだチョコレートも余っているので
生チョコやプチケーキにも挑戦した
気が付けば日付も変わっていた
上手く出来上がったお菓子をみて
感動するまた子
「優様のおかげっす!
こんなに料理楽しいと思ったの久しぶりっす!」
「それは良かったです
でももっと楽しいのは食べてもらってからですよ」
「そうっすね!」
「余った材料片付けてますから
あちらでラッピングしていってください」
「はいっす!」
まだまだかなりの量が余って居たので
保存できる物を袋や冷蔵庫に入れて
余った物で 何か作れないかと思考する
クッキー生地の余りで小さなクッキーを作って
カップケーキの中に 生チョコを流し込んで
小さなクッキーと共に焼き上げる
焼きあがったら
余ってるチョコペンで ケーキの上にクッキーを貼り付けて
少しデコレーション
食堂の方を見れば ラッピングを終えたまた子が
うたた寝しているので
袋をいくつかもらって
自分の作った分をラッピングしてしまう
綺麗にラッピングされたお菓子達を
レジ袋に入れて また子を抱えて
また子の自室へと運ぶ
布団に寝かせて
備え付けの冷蔵庫に生チョコが入った物を入れて それ以外は机の上に置いて 置き手紙と余り物で作ったカップケーキを置いておいた
「おやすみなさい、また子」
また子の部屋から出ると 万斉と出会った
「優殿、また子と一緒だったでござるか」
「えぇ。疲れてたのか眠ってしまいましたわ」
「そうでござるか」
「あ!万斉少し待ってて下さい」
「分かったでござるよ」
厨房に戻って カップケーキを手渡す
「余り物で作ったものですがおすそ分けです」
「有難く頂くでござるよ」
「いいえ、おやすみなさい、万斉」
万斉と別れて もう一度厨房に戻り後片付けをして
研究室フロアを覗きに行く
厨房の明かりも消えていて
ちゃんと言いつけ通り 眠っている様なので
安心し 研究室の冷蔵庫に 人数分のカップケーキを入れて自室へ戻る事にした
カップケーキ残りは1つ
洋菓子の甘さはあまり好きではないようなので
1番小さい物を大事に持って 扉を開ける
「やっぱり起きてらっしゃった」
「今日は随分遅かったな」
「また子に付き合ってたらこんな時間になってしまいました」
座敷に上がって真横に座る
「貴方の口には合わないかもしれませんがこれ作ったのであげます」
可愛い包装紙に包まれた カップケーキを手渡す
すぐに包装紙は剥がされる
「お前が作るなんていつぶりだ?」
「かなり久々ですね
晋助にお渡しするのは お茶いれましょうか?」
「あぁ」
立ち上がって振り向くと可愛いカップケーキと晋助
似合わないなぁと炊事場で少し笑ってしまう
「ほうじ茶にしました」
「あぁ」
真横に座って 高杉に寄りかかる
そのまま眠ってしまい
目覚めれば晋助は居なくて
置き手紙が1枚
ーー美味かった
数日船をあける 頼んだーー
「また子…可哀想に…」
研究室フロアにて
子供達とお菓子の交換をして
朝から至福タイムを味わっていたら
また子が泣きながら入ってくる
「優様…晋助様出かけられるって知ってたっすか?」
「ごめんなさい、私も聞かされてなかったの
せっかく作ったのにね…」
子供達にまであやされるまた子
結局また子が作ったお菓子は
また子のやけ食いと子供達に配った事で
その後 高杉の口に入ることはなかった
END
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