*chamomile*
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私達はとある町で3年ほど生活を送った
私は持ち前の治療技術で
町医者として働き、その地の地主に家まで頂いた
晋助は 情報収集のため 夜にふらりと出ていっては
ふらりと明け方に帰ってくる
もちろん数日戻らない日もあった
晋助は攘夷浪士として指名手配され始めた
そんな晋助なりに気を使ってなのだと思う
私自身は表向きには指名手配されていないものの
天照院奈落は私を探していると朧は言っていたが 虚が裏で阻止しているらしく
難なく生活出来た
そんな生活は とある女の子がきっかけで
終わった
今や大きな組織と化した鬼兵隊
昔のことを思い出しながら
船首からぼーっと 夕日が沈んでゆく 日本海を眺めていれば
後ろから 結成の火付け役から声をかけられる
「優様っ!!
こんな所に居るなんてめずらしいっすね!!」
駆け寄ってきた金色の髪をした
可愛い妹分は 私の横で 深呼吸して 伸びをする
「おはよう、また子」
そう言って微笑めば
満面の笑みで おはようございます!! と返してくれる。
私と大して歳は変わらないが
彼女にとって 命の恩人である
晋助の 恋人 だからなのか 私にも様を付けて呼んでくれる
2人で気持ちいい 波風を受けていれば
慌ただしい声が聞こえる
「優さまぁ〜 優さまどこですかー?」
鬼兵隊が結成して 半年ほどして宇宙へ経つとなった時に
私も 他の星の
晋助には 薬学研究とただの偽善と伝えて
カミツレ という孤児の居所をつくらせてもらった
その副隊長である 椿 が半べそ状態で甲板へ現れる
「優さまぁ〜。 研究室から居なくなる時は 申し付けてくださいよぉ〜」
「あら、ごめんなさい」
よろよろと寄ってきた 椿の 頭を撫で
何用かと尋ねれば
検体として飼っている ネズミ数体を
新人の 桜 が生物室内で 逃がしてしまったらしく
捉えるために 室内は しっちゃかめっちゃかにしてしまった…とお怒り覚悟で報告に来たらしい
「大変じゃないっすか!!」
「誰も怪我はしてないの?」
「それは、はいっ…。」
「ならいいんです
片付けに行きましょうか、椿。」
「ううっ、 はい!!」
「それじゃ、また子 またね」
とまた子に笑顔で手を振り椿と共に
船内へ戻る
「太陽が沈んでいくっすね。」
船内の奥からのぞく 月に
また子の呟きはそよぐ風とともに消えた