*chamomile*
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連れてきた患者は
今回の病だけでなく他のものまで完治させ
いつでも復帰可能な状態で
塗り薬もいくつかストックを作り終えた
高杉と一向に会う機会がないため
夕刻に 花魁2人と 3人で吉原へ行くことになった
鳳仙に 施術後の報告と 新薬を手渡し
報酬に 大金を手に入れた
豪勢な食事まで出して頂き
そして定期的に 吉原で診療所を開かないかと持ちかけられた
考える時間が欲しいと告げて鳳仙の元を後にした
「行きより帰りの方が辛いですね 」
風呂敷に包んで貰ったものの
金なので結構な重さがある
誰かについてきてもらえば良かったと少し後悔しながら
華やかな吉原を歩く
行き交う男性の中に見慣れた着物が目の端に止まって振り返る
高杉ともう1人は見知らぬ男
「今度は何をなさるんでしょう…」
独り言は喧騒にかき消された
吉原を出たところで 男数人に絡まれた
大量の金を軽々しく持って歩く女にどうやって適うと思ったのか問いたい所だ
「どうしてこうも
おつむが足りない方々なのでしょうか…」
その言葉に激昂するも あっさりねじ伏せられ地面に横たわる
「今日も帰っては来なさそうですね」
月を見上げながら 高杉を想う
少し寂しい。
計画の話は何一つ耳には入ってこない
どのような者と繋がっているのかさえ知らない
守らんとしていることは百も承知なのだが
それでも不満は募る
その不満をあえてぶつける事をしないのは
高杉への信頼故に
色々考えながら歩いていると
見覚えのない道に迷い込んでいることに気付く
「あら、どこかで道を間違えてしまったようですね」
「考え事か、優。」
背後から 聞き覚えのある声がして振り向く
「小太郎兄さま」
「夜道を女1人で歩くとは関心せんな、全く」
「私のような女を倒せる相手はそうそうおりませんよ、兄さま
あら?そちらの…えーっと?」
桂の隣で白い布のようなものを被った着ぐるみ?に目がいく
「あぁ、エリザベスだ!」
「エリザベス…さん?」
[はじめまして
エリザベスで構わない]
と看板を上げる
「はじめまして
吉田 優です」
とお互いかしこまって頭を下げる
「ところで、あれから高杉はどうしてる」
「晋助ですか?
また何か企んではいるようですよ」
「そうか…」
「私はそちらにはいけません。
小太郎兄さまや銀の元にいるのが安全であったとしても
晋助の側で居たいのです 歯止めになれていない事に罪悪感はありますが…」
「…はぁ
全くどいつもこいつも頑固なものばかりだ」
「ふふっ
そういう兄さまも頑固な部分あるじゃありませんか」
[そうそう]
「そうですよねー、エリザベス」
[ねー]
「何かあれば頼ってくるんだぞ」
「えぇ
いつも頼りにしてますよ兄さま。」
「元気でな」
「小太郎兄さまも」
背を向けて
瓦屋根に飛び移る 荷物のせいで少しよろける
屋根越しに この辺で1番高い屋根から
見知った場所を探す
船に帰り着いた時には日付が変わっていた