Another~虚~
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稽古場で高杉に 力を見せた後
自室に戻り いつの間にか眠りについていた
ーーー暗い闇の中 赤く光る虚の瞳
ゆっくり虚の手が伸びてくる
体が強ばる
「優、逃がしませんよ」
闇の中虚の声が響く
(イヤ…嫌…もうやめて)
ーーー
「優…おい優」
「っ…!?」
飛び起きたら 心配そうな顔をした高杉がいた
うなされていたようで 体は大量の汗で濡れ、手が震えている
「大丈夫…です」
「そうは見えねぇ」
高杉の手が伸びてくるのを咄嗟に弾いてしまった
「違、 ごめんなさい…」
「俺が怖いか?」
その場から近付かず問いかけてくる
「…いいえ」
「優。」
「…ごめんなさい」
手の震えが止まらない
高杉はこちらに背を向け離れることも無くその場で煙管を吹かせていた
その背中が寂しく見えて
恐る恐る背中に触れる
「優、今度こそお前は俺が守ってやる」
「晋助…」
背後から腕を回し抱きしめる
未だ震える手に高杉の手が触れる
「ありがとう…」
「あぁ」
落ち着くまでそのままで居てくれた
手の震えが収まってから
今後の話をした
「しばらく 惑星を転々とする」
「うん。
晋助、貴方にもアルタナの力が宿っているのですよね」
「あぁ、お前らほど化け物地味ではいないがな」
「んふふっ
なら、同等になって頂きましょう」
それから数週間
眠ればうなされる日々と 見知らぬ惑星での生活を楽しんだ
うなされて起きては 高杉にしばらく寄り添ってもらう
落ち着くと少し情けなくも恥ずかしくも思う
そして自らの血を分け与え
朝食後に手合わせ
今まで以上に高杉と共に過ごす時間が増えた
2ヶ月も経てば うなされる回数は減っていった
高杉の力も目覚め始め
こちらも翼を2対出さねば ならなくなってきた
別の惑星へ旅立たんとしていた時だった
背筋が凍りつくような悪寒を感じた瞬間
空へ浮かび上がる船が大きく揺れた
「敵船からの砲撃です!」
「これは嫌な予感がしますねぇ…」
「恐らく虚だろうよ」
脳内に声が響く
ーーー優、見つけましたよ
耳を塞いでしゃがみこむ
「優様?大丈夫っすか!?」
ーーー 私の元に戻って来なさい、優。
そうすれば そのもの達は見逃しましょう
「そんなの嘘です…」
ーーー拒否すると言うなら 力ずくでも
貴女を取り戻すまでですよ
その為に 貴女の大切なもの達が犠牲になってしまいますが
「っ…
私が貴方の元に戻ったとして
本当に手を出さない保証がどこにあるんです」
「虚。
お前に優は渡さねぇよ」
ーーーおや、高杉晋助に力を委ねましたか
「お前がどれほど強いか知らねぇが
松陽と同じ体、同じ声で これ以上優を苦しめんじゃねぇ」
「晋助…」
ーーー松陽…懐かしい名ですね
そうか、あの者のように接すれば優は離れることは無かったのかも知れませんね
「お前に二度と優は渡しはしねぇ
武市、船を寄せろ」
「は、はい!」
艦背室から出ていこうとする高杉を呼び止める
「晋助!!
まだ適うかどうか分からないのですよ!」
「そんなこたァどうでもいい
このまま逃げ切れるたぁ思わねぇからな」
「そうですけど…
ってもう、待ってください!!」
話も聞かず殺気立って歩きだす高杉を追いかける