Another~虚~
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久々の自室は 煙管の香りが立ち込めていた
高杉と二人っきりで
相変わらず定位置で煙管を吹かせ始める
薬棚からまけじとお香を取り出して炊いてやる
「晋助…
お暇でしたらお手合わせ頂けませんか」
「口に出すたぁ珍しいじゃねぇか」
「ここで暴れる訳にはいきませんし
私の力は見てもらった方が早いですから」
同意を得て 高杉と 稽古場に降りる
暇を持て余している 隊員は居ないためか
貸切状態だった
「好都合ですね。」
羽織を脱いで 高杉から距離をとるように 奥へ歩みを進める
3mほど離れたところで 後ろから斬りかかってくるのを感じ
背中からアルタナの鉱石を翼状に広げる
「ッ!?」
1度退いた高杉の方へ振り返る
「コレはまだ虚も知りません」
緑色に煌めく一対の翼
「とんだ天使がいたもんだ」
正面から切り込んでくる
その刃を鉱石を出した左腕で受け止める
「身体の至る所から鉱石は出せますが
皮膚を貫いているので その度に痛みを生じます」
「痛覚はあるって事か」
「ええ、戻す際にも同様に痛みを伴います。
虚のおかげでこの程度は平気になってしまいましたが…」
左腕で刃を押しのけ 鉱石を戻し
痛みに顔を歪めながら背中から二対目の翼を広げる
「二対目が現状 ギリギリ制御できる範囲です」
心臓部に手を当てて 息を整える
「気を抜くとこの血に飲まれそうになる…
私の体内は充分過ぎるほどアルタナで満たされている
アルタナの濃度が高過ぎて結晶化しているのです」
二対の翼をしまって膝をついて
荒い息を繰り返す
「随分辛そうじゃねぇか」
「さっきも言った通り
気を抜けば アルタナに意識を持っていかれそうになるんです
いつ殺戮の天使となるやらわかったものではありません」
「一対なら余裕で制御できるって事か」
立ち上がって 高杉に歩み寄る
「はい。」
手に持ったままの刃を掴み自分の手のひらに突き刺す
「引き抜いてみてください」
怪訝そうな顔で刃を引き抜いたその場で傷は無くなっていた
「異物が無くなれば身体はすぐさま元通りです…これは虚も同じ。
資料にも残していた通り 私の血と虚の血では私の方が優位な様です
私の血で虚を倒す それ以外今は思いつきません。」