Another~虚~
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1ヶ月経った
心を捨てることにした
全て虚の言う通りにした
笑うこともしなくなった
さらに1ヶ月経てば
奈落の一員として名を貰い 仕事を任されるようになった
ただ、虚に告げられた仕事を淡々とこなした
自室を貰えるようになった
といっても 虚の部屋の隣で
必要最低限の物しか置いてはいなかった
打刀も返してもらった
虚が居ない時 それを抱きしめては
高杉を思い出し頬に涙がつたった
共に行動させられることの多い 朧はそれを知っていた
だから鬼兵隊の動きや現状を教えてくれることもあった
何かと気にかけてくれる 朧の前では 少しだけ笑えた
ここに来て半年ほど経ったのだろうか
とある仕事を任された
とある貴族との交渉に1人で出向く事になった
屋敷にあがり 座敷に通されると
襖を開けた時会いたいと願う顔が目に飛び込んだ
「…優」
「おや、お知り合いでしたか、高杉殿」
深く目を閉じ 冷静を取り戻す
(今はまだ…)
「顔見知りなだけです
虚様の名により馳せ参じました 空(くう)です」
「上がりたまえ」
「失礼します
さっそくですが虚様からの預かり物です
こちらを」
預かった書類を手渡す
その間も高杉の視線が刺さる
「兵力に申し分はないが 金額は如何せん高いな」
「残念ながら
それがこちらが力添え出来る最低限です」
「そうか…」
「うちならそれ以下で全勢力を貸してやってもいいぜ」
「おお!誠か!?」
「あぁ」
ー「優、交渉決裂の場合は殺しなさい」ー
「そうですか、残念です」
交渉人の首を瞬時に刎ねる
「優。」
「なんです」
高杉の方を見やる
「随分 冷てぇ目になったな」
「そうかもしれませんね…」
出来るだけ笑ってみせる
高杉は立ち上がり 近付いてきて抱き寄せる
「優、あいつの命令なら俺も殺すか」
「殺せるなら 格下の他の者ではなく確実な私を向かわせているでしょう」
「知ってたのか」
「ええ、」
頬に高杉の手が触れる
「まだ表情が硬ぇな」
微笑んでは見るものの 苦笑いにしかなっていない
優の下ろしたままの髪を高杉はかきあげる
露わになった首筋には無数の赤い印に釘付けになった高杉に気付き目線を逸らす
「優…
こりゃあどういう事だ」
「ごめんなさい」
(虚に汚された私が まだ貴方の傍に居たい等と言う訳にはいきませんよね
それに私と関わらなければ 虚も手を出したりはしなくなるはず…)
怒っているような悲しんでいるような瞳のままの高杉を突き飛ばし
振り返ること無く屋敷を後にした
「さよなら、晋助」
高杉から少しでも離れられるよう無我夢中で走った
どこに辿り着いたのかも分からぬまま
降り出した雨空を見上げる
頬に伝う雫は雨なのか涙なのかも分からないほど濡れて
1ヶ月経った
心を捨てることにした
全て虚の言う通りにした
笑うこともしなくなった
さらに1ヶ月経てば
奈落の一員として名を貰い 仕事を任されるようになった
ただ、虚に告げられた仕事を淡々とこなした
自室を貰えるようになった
といっても 虚の部屋の隣で
必要最低限の物しか置いてはいなかった
打刀も返してもらった
虚が居ない時 それを抱きしめては
高杉を思い出し頬に涙がつたった
共に行動させられることの多い 朧はそれを知っていた
だから鬼兵隊の動きや現状を教えてくれることもあった
何かと気にかけてくれる 朧の前では 少しだけ笑えた
ここに来て半年ほど経ったのだろうか
とある仕事を任された
とある貴族との交渉に1人で出向く事になった
屋敷にあがり 座敷に通されると
襖を開けた時会いたいと願う顔が目に飛び込んだ
「…優」
「おや、お知り合いでしたか、高杉殿」
深く目を閉じ 冷静を取り戻す
(今はまだ…)
「顔見知りなだけです
虚様の名により馳せ参じました 空(くう)です」
「上がりたまえ」
「失礼します
さっそくですが虚様からの預かり物です
こちらを」
預かった書類を手渡す
その間も高杉の視線が刺さる
「兵力に申し分はないが 金額は如何せん高いな」
「残念ながら
それがこちらが力添え出来る最低限です」
「そうか…」
「うちならそれ以下で全勢力を貸してやってもいいぜ」
「おお!誠か!?」
「あぁ」
ー「優、交渉決裂の場合は殺しなさい」ー
「そうですか、残念です」
交渉人の首を瞬時に刎ねる
「優。」
「なんです」
高杉の方を見やる
「随分 冷てぇ目になったな」
「そうかもしれませんね…」
出来るだけ笑ってみせる
高杉は立ち上がり 近付いてきて抱き寄せる
「優、あいつの命令なら俺も殺すか」
「殺せるなら 格下の他の者ではなく確実な私を向かわせているでしょう」
「知ってたのか」
「ええ、」
頬に高杉の手が触れる
「まだ表情が硬ぇな」
微笑んでは見るものの 苦笑いにしかなっていない
優の下ろしたままの髪を高杉はかきあげる
露わになった首筋には無数の赤い印に釘付けになった高杉に気付き目線を逸らす
「優…
こりゃあどういう事だ」
「ごめんなさい」
(虚に汚された私が まだ貴方の傍に居たい等と言う訳にはいきませんよね
それに私と関わらなければ 虚も手を出したりはしなくなるはず…)
怒っているような悲しんでいるような瞳のままの高杉を突き飛ばし
振り返ること無く屋敷を後にした
「さよなら、晋助」
高杉から少しでも離れられるよう無我夢中で走った
どこに辿り着いたのかも分からぬまま
降り出した雨空を見上げる
頬に伝う雫は雨なのか涙なのかも分からないほど濡れて