*chamomile*
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自室に戻って 食器棚の一番下から
小さめの木箱を取り出す
木箱の中からグラスを2つ取り出し
流しで軽く洗って 拭きあげていれば
夕食が二人分運ばれてきた
配膳してもらい下がってもらってから少しすれば高杉が戻ってきた
食前酒を用意していれば
いつもの柄の着物を羽織っただけの高杉が現れる
「晋助っ!!
着替えるならちゃんと着替えて下さいっ」
「お前しか居ねぇんだ、構わねぇだろ」
「目のやり場に困るのでちゃんと着替えて下さいっ!!」
そろそろと近付いてきて後ろから抱きしめられる
「今日ぐらい好きにさせろ」と耳元で囁かれて
背筋がゾクッとする
「ほぉ、切子か」
盆の上に乗った 赤紫と青紫の切子グラスを優の肩越しに見て言う
「何にするかとても迷いました」
「いい色じゃねぇか」
「とても綺麗でしょう?」
「あぁ
2つあるってことは今日は付き合ってくれんだろ?」
「少しだけですけどね」
「ククッ 構わねぇよ」
高杉の腕が解け 高杉は座敷の方へ消えた
とっくりにお酒を注ぎ終え
座敷の方へと運ぶ
ちゃんと帯を締めた高杉が煙管を吹かせていた
「あれ、その煙管まだ持ってたんですか?」
「お前がくれたもんだからなぁ」
「最近使っている所見てなかったので 壊れたのかと思ってました」
お盆を2人の間の少し後ろに置いて
高杉の隣に座る
煙管の灰を落とした高杉に
「色、どっちがいいですか?」
「言うまでもねぇだろ」
青紫の切子を手に取った高杉に ゆず酒を注ぐ
「一応です、一応」
自分の分は少なめに注ぎグラスを持つ
「晋助、誕生日おめでとう」
キンッとグラスを交わし
お酒に口をつける
「優、お前もな。
おめでとう」
「ふふふっ、そうでしたね
年に4日も誕生日を持ってると分からなくなりますね
まぁ、元々知らないんですけどね」
空になった高杉のグラスにお酌する
「お前の誕生日は俺と同じでいいんだ」
「そうですね」
夕食を食べ終えてからも
晩酌は続いた
呑める人間な高杉に対して
優はそこまで強く無いので加減して付き合っていたものの
頬は赤くなり 表情はとろんとしてきた
「回ってきたか?」
「そう…みたいです」
肩を引き寄せられ 高杉に寄りかかる
「弱いな」
「晋助が強すぎるんですよ…
これ以上は…辞めておきます」
手の中にある切子グラスをゆっくり煽る
「ククッ
俺はお前が酔っても構いはしねぇがな」
「嫌です…
記憶が無くなるならまだしも…
ちゃんと残るので嫌です」
優は酔うと甘えん坊になり
自分から求めてしまう
翌日酔った記憶は無くならないので
朝から絶望感に苛まれる
「酔った優は大胆だからなァ」
「思い出すのやめてくだしゃいっ」
ククッと喉で笑いながらグラスを置いて
優を押し倒す
「今でも充分いい
「や、だ…」
唇を重ね 舌を絡め合う
透明な糸を伸ばしながら離れれば
満足気な表情の高杉の顔が見える
首筋に舌が這う
「んっ…」艶っぽい声がもれる
高杉が離れ幾つか印がつけられたのを感じ確かめるように
その付近を指で撫でる
「独占欲強すぎです…」
「当たり前だ」
すっと抱き起こされ座って見つめ合う形になる
「俺が愛してるのは優だけだからなァ」
優しく微笑む高杉の両頬を包むように手のひらを添えて触れるだけのキスをして
首に腕を回して抱きしめる
「大好きです、晋助っ」
しばらく抱きついていたら いつの間に眠ってしまった