*chamomile*
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翌日 久々に高杉と2人で街へでた
優はいつもより丈の短いスカートに
簪はささず また子に毛先を少し巻いてもらい
高杉はいつもの派手な着物ではなく
落ち着いた藍色の着物に包帯も外して
右側の髪をあげており
手配書の姿とはまた違った色気が出て
二人腕を組んで歩くだけで 老若男女問わず熱い視線がささる
「これはこれで目立ってますね」
右側を歩く高杉を見上げる
「俺に向けられる視線は構わねぇが
お前に向けられる視線は気に食わねぇな」
立ち止まって 左手を引き寄せられ向き合う形になったかと思えば唇が重なった
黄色い声があがる
「っ!
いきなり何するんですかっ、バカっ!」
顔を真っ赤にして高杉の胸を叩けば
抱きしめられる
「お前は俺のモノだからなァ」
「恥ずかしいからやめてください」
満足気に喉で笑って
お姫様抱っこされ歩き始める
「ひゃっ!
バカバカバカっ!
スカート短いんですからぁっ!」
おろしてくれそうにもないので
下着が見えないようにスカートの裾を抑えながら 俯いていた
さっきまでとは違い静かな通りに入ったのに気付き
高杉の腕の中辺りを見渡す
「出かけるとだけ言われて着いてきましたが
一体どこに向かってるんですか?」
「さぁな」
むっと高杉を睨みつけてみるも答えは教えてくれず
どんどん人気の少ない方へと向い
男に声をかけられたかと思えば
何やら合言葉のようなものを発し
長屋の脇にあった階段から地下へと降りてゆく
「そんな顔すんな、もうすぐ目的地だ」
「なにか嫌な予感がするのですが」
階段を降りた先は
さらに下へと続くエレベーターが1つ
天井、壁に至るまで全てが鉄で覆われている
エレベーターに乗り込み下へ降りて見えた景色に大きくため息をついた
「ククッ
優、ひと仕事してもらうぜ?」
「遊女にでもなれとおっしゃるんですか?」
「まさか」
未だにおろしてもらえず抱き抱えられたまま
華々しい通りを歩く
通りを歩く男達からは
どこの遊女だ? なんて声まで聞こえてくる
「私に何をさせるつもりなんですか?」
「そう怒るな
変な仕事じゃねぇ」
この場所で1番大きな建物の中に入っていくと
「高杉様 ようこそいらっしゃいました」
と綺麗な女性に案内され
とある部屋の前でようやくおろして貰えた
「鳳仙様、高杉様がお見えになりました」
「通せ」
座敷の中へ入るとガタイのいい
白髪の男が1人
「そのお嬢さんが例の薬師か」
「あぁ、腕は保証するぜ」
ズカズカと座敷内へ入る高杉に続いて
部屋へ入る
「取って食ったりはせん安心せい」
と湯呑みに茶を注いで出してくれる
「ありがとうございます」
「名は?」
「吉田 優と申します。
お目にかかれて光栄です、鳳仙様。」
丁寧に挨拶して高杉を見やれば
普段と変わらない態度で煙管を吹かせているのにすこしイラッとした
「話は聞いておらぬようだな」
「言わずに連れてきた方が面白いと思ってなぁ」
高杉のその言葉に 今すぐ首を落としてやろうかと思う程腸が煮えくり返ったが我慢した
「お聞かせ下さいますか?」
吉原で蔓延し始めた性病の薬を作って欲しいとの事だった
「話はわかりました。
検体を頂けると早く処方できるのですが可能ですか?」
「構わん好きに連れてゆけ」
「ありがとうございます
検体の扱いについてなのですが」
「数人死んでも構わん。好きに扱え
誰かこのお客人を案内せよ」
「かしこまりました」
「優、俺は後から行く」
「わかりました。
覚悟していらして下さいね、晋助。」
満面の笑みで返す
案内された場所は 吉原の端で
華々しさはなく重苦しい雰囲気が出ている場所だった
「この場所は 病気を患った者ばかりが集まっております」
「例の病状の方々もこちらに?」
「はい、こちらです」
長屋の扉を開ければ
鎖に繋がれた女性が十数人ほど
床にふせている者に壁にもたれ掛かって煙管を吹かせている者
「ここに居るもの全て感染者です」
「案内ありがとうございます。
彼女達に話を伺ってから決めてもよろしいですか?」
「はい、構いません」
感染経路を探るため 聞き込みから始めた