*chamomile*
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2人は何も話さぬまま
船に帰還した
研究フロアに向かう途中
先を歩く優の背中に
「優様、はぐれてごめんなさい」
「あ。こちらこそごめんなさい、美影。
せっかく楽しかったのに私、空気悪くしてしまいましたね」
振り向いて美影をぎゅっと抱きしめた
「あなたに対して怒っているわけではないので、変な気を回させてしまってごめんなさいね」
「いえ、今日すごく楽しかったです」
「また一緒に出掛けましょうね」
「はい!」
「今日はもう遅いですから りんご飴は明日 美影から皆に渡してあげて下さい」
「わかりました
おやすみなさい、優様。」
「おやすみなさい、美影」
部屋の前まで送り届けてもらい挨拶を交わすと
優様はいつもの笑顔で踵を返した
ーー
自室で汚れた刀の手入れをしていれば
また子が勢いよく扉を開ける
「優様っ!晋助様がっ!」
少しして肩から血を流した高杉が入ってくる
「あらあら、銀兄さまに噛みつかれでもしましたか?
し・ん・す・けに・い・さ・まっ」
「うるせぇ」
殺気立つ2人にまた子はオロオロし始める
「また子、あとは任せて」
「は、はいっす!」
失礼しましたーっとまた子は小声で恐る恐る出ていく
「いつまでそこに座っているおつもりですか?」
刀の手入れを終え鞘に戻しながら
その場に座ったまま動かない高杉の背中に問いかける
返答も返っては来ない
短くため息をついて 後ろから高杉を抱きしめて
顔を覗き込む
「で、祭りは楽しめました?」
「そこそこな
優、あいつにちょっかい出して悪かった。」
「銀時は銀時で今を生きているのですからこちらに巻き込まないであげてください。
私達全員同じ想いをした上でそれぞれの道を歩んでいるのですから」
「あぁ」
少しの間2人で虚空を見つめていた
「で、晋助。
この傷どうしたんです?刀傷では無いようですし、本当に噛みつかれたのですか?」
「…犬にな」
「犬?
銀時に息巻いてあんな事を言った
貴方が犬に噛まれたんですか?ふふっ」
「誰にも言うなよ」
「ふふふっ
ええ、他言はしないであげます。
総督の面目丸潰れですからね。
はー、可笑しい」
高杉から離れ薬棚を開ける
「上がって脱いで下さい、手当てしますから」