*chamomile*
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すっかり熱も下がり
暦を見れば8月9日
あいにく高杉は単独昨晩から出かけているようで
本人が居ない方が好都合だと思い
武市の許可をもらい美影を連れて出掛けることにした
「なんだか今日は一段と街が賑やかですね」
いつかに聞いた祭りが今日らしく
既に浴衣を着た人の姿が目にとまる
「お祭りみたいですね、優様!!」
「美影は初めてですか?」
「はい」
キラキラと目を輝かせてこちらを見てくる
可愛らしい耳と尻尾まで見えてしまいそうだ
「帰りに少し寄ってみましょうか」
「はいっ!」
「人も多いですし、手繋いでましょう」
少し先をゆく美影に手を差し伸べる
少し照れながらしっかり握ってくれる
色々な店が建ち並ぶ通りを2人で歩く
呉服屋が目にとまった
「美影、浴衣着てみますか?」
「え?いえそんなっ、優様に頂いてばかりで申し訳ないですっ」
「良いのですよ、私が美影に着せたいのですから。
じゃあ、浴衣姿みせてくれますか?」
「私で良ければ…」
「行きましょう!!」
美影の手を引き店先に可愛らしい桃色の浴衣の並ぶ呉服店に入る
「いらっしゃいませ。
これは可愛らしいお嬢さん方で」
「ありがとう、この子に浴衣を見繕って欲しいのですが」
「かしこまりました、お色はどのようなものがお好みですか?」
「どの色も似合いそうで迷いますね。
美影、気に入るものはありましたか?」
「これとか、どうですかね?」
美影が手に取ったのは
優が今日着ている着物と似た赤い牡丹があしらわれた淡い桃色の着物
「お似合いになると思いますよ。
今年はピンクがよく売れてますし。」
「ええ、いいと思いますよ美影。」
「帯はどう致しましょう」
「そうですね、赤にしましょう。
このまま来て行きたいのですが構いませんか?」
「ええ、もちろんです
それではお嬢さん、奥の座敷にどうぞ上がって下さい」
「は、はいっ」
店員に連れられて美影は座敷へと消える
それを見て先程までとは違う雰囲気が店主と優だけの店内に立ち込める
「お客様、その簪とある方に売った覚えがありまして」
「包帯を巻いたお方かしら」
「はい、貴女は高杉様と関係のある方なのですか?」
「ふふっ、同志でしょうか?
あまり私を嗅ぎ回ると晋助の怒りを買います。
命が惜しいならば晋助に私の事は聞かぬほうが良いでしょう。」
「は、はい。承知しました。」
「それより、あの人こんな所にもいらしてるのね」
「ええ、時折奥の座敷を貸しております」
「なるほど」
「着付け終わりました」
座敷の方から店員が出て来たので
声の方へ振り返る
「似合ってますよ、美影」
「あ、ありがとうございます…」