*chamomile*
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万斉の方が軍を率いるのに向いているのか
何人かの隊士は残っていた。
「心強い助っ人でござるな。」
この屋敷の主人であろう者を弦で捕らえている為か
万斉を囲むように鬼兵隊が守りを固めている。
「お待たせ。」
敵兵を討ち取るのにそう時間はかからなかった。
「晋助はどうした」
「2階を探査しているはずだけれど…?」
(たしかに二手に別れてから随分と経っているはず…。)
「美影。」
井戸の影に隠れた美影を呼び
怖がっている美影を万斉に預ける。
「万斉は怖くないわ。
優しい人よ。」
「優様 我々も…」
隊士の1人が悲しそうに声を上げる
「ふふっ、冗談よ。
美影、優しい人しかいないわ、安心してここで待っていて。」
「優殿、晋助を頼んだでござるよ。」
「うん。必要ならコレを。
痺れ薬が塗ってあるわ。」
懐から最後の短刀を1本取り出し万斉に渡す。
「助かるでござる。」
隊士達と美影の顔を見て
いってきます と微笑み 屋敷内へと駆け出す。
屋敷内はほとんど片付いているのか
静けさが満ちていた。
2階へ上がきった所で
左側から大きな破壊音が響く。
音の方向へ向かえば
廊下の壁にめり込む晋助。
「晋助っ!」
駆け寄り晋助の前に刀も抜かず立ちはばかれば
見知った白髪の男が立っていた。
「っ!?」
(
もう少し早ければ、虚と晋助が遭遇する事になっていたかもしれない。)
「ゲボッ…優…。」
後ろで血を吐きながら立ち上がる晋助。
「無様なものだな、高杉晋助。
守るべき女に守られるとは。」
「違ぇねぇ。
だが、ここに優が居るなら目的は達成した。」
「女に免じて今日は引くが
次はない、肝に銘じておけ
松陽の弟子よ。」
朧は背を向け窓から出ていってしまった。
「晋助っ」
振り向こうとした時背に重みがかかった。
「優
巻き込んですまない。」
優の背にもたれ掛かる晋助。
「大丈夫…。」
立っているのがやっとだろうに
力強く抱きしめられたその腕に触れる。
(もう少し頼ってくれればいいのに…。)
「応急処置…しましょ」