Another~虚~
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―――武市変平太からの緊急通信が入り
単独で高杉の援護へ向かう優。
竹林にて不穏な気配を感じ足を止めた。
そこに現れたのは 最愛の父と同じ姿の
「どうして、貴方がここに…。」
目の前に現れたその人物へと問いかける。
「優、貴女を迎えにきたのですよ。」
手を差し出してくるが、私はソレを拒んだ。
「拒みますか、哀しいですね」
落胆し、目を伏せたかと思いきや
腹部に痛みが走り、触れて確かめれば血が溢れていた。
顔を上げれば、刀をもち微笑む虚。
右手に握った刀を強く握り、虚に斬り掛かるも
瞬時に目の前から消え 背後から首を締めあげられる。
「あっ…ぐっ…」
徐々に力が抜けていく、刀もその場にカランと音を立て落ちる。
遠くに見える屋敷。
(助けて…)
「しん…すっ…」
私は完璧に気を失った。
「優、貴女は私のものです。」
気を失った優を抱き上げ
虚は1人満足気に笑った。
ーー屋敷内
急に静かすぎる屋敷に
不信を抱きながら高杉は独り、2階へと上がる
踊り場に あの男を見るや 斬り掛かる。
「とんだ挨拶だな、高杉晋助。」
両者1歩もひかないでいれば
1羽のカラスが 窓へと降り立つ。
「ククッ こんな所でおめぇに会えるとはな」
「喜んでいる所水を差すようだが お前にとっては悪い知らせだ。」
「悪い知らせねぇ、なんの事だ」
より一層 刀に力を込め 押す
「吉田 優を連れ去った。」
その言葉に1度引き体制を整える高杉
「そりゃぁ、どういう事だ。」
「言葉通りだ。 天照院奈落が吉田 優を連れ去った。」
再度伝えられた その事態に 怒りをあらわにする高杉
「おめぇを殺す前に、居場所を吐いてもらわねぇといけねぇな」
「手負いのお前に何が出来る。」
両者共に駆け出ししのぎを削るも
左肩を負傷している高杉の身体は既に悲鳴をあげていた。
それでも 優の為にと何度も立ち上がる
「そろそろ諦めてはどうだ。」
1階まで弾き落とされた高杉に向かって
ふらつきながら朧は問う
(諦められるもんか、松陽も優も失ったら 俺には何が残る…。)
刀を支えに立ち上がろうとするも
身体に上手く力が入らない。
「京…、京の都まで来い。」
その姿を見兼ねてか 朧はそう言い残し消えた。
(優、必ず迎えに行く…必ずお前は俺が守る…。)