*chamomile*
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目を開け、辺りを見渡せば
目の前には私の刀が地面に刺さっている。
「もう、行ってしまったの?」
顔から滴る血を羽織の裾で拭い、
刀を引き抜く。
「行かなきゃ。無事でいて…晋助。」
屋敷の方へと走り出せば
先程よりも体が軽い事に驚く。
長い距離を走ってきてスタミナもそこそこ減っていたはずなのに。
「
(万人に適応する訳では無い奇跡的な力…。
マウス実験ですら一時的に治癒能力は上がるけれどその後長生きはしていない…。)
「私は、どうなるのかしら。」
ふと晋助の顔が浮かぶと
不安は消え去り、笑みがこぼれる。
(急ぎましょう。)
数分走った後に立派な門構えが見えた。
その先でどうやら誰かが戦闘中らしい。
敵に囲まれている。
加勢すべくまだこちらには気付いていない敵兵の背を斬りつけ蹴散らしてゆく。
「増援かっ!」
「女1人だ、早く仕留めろ!」
敵兵はこちらへと矛先を変える
攻撃をかわしつつ、的確に仕留めてゆけば
敵兵中心にいた男はその声を聞き気配が変わる。
「ククッ、俺の女に手出しはさすめぇよ」
はなから本気では無かったと言わんばかりに
切り捨てられてゆく敵兵は
あっという間に片付き、そこには肩を負傷した高杉と赤となった羽織をなびかせる優のみとなった。
「まだ元気そうでよかったわ。」
そう伝えながら敵の太刀を拾い上げる。
「あいつらは無事帰ったか。」
武市とまた子の事だろう。
短く ええ。 と返事すれば 刀についた血を払い背を向け屋敷内へと歩き出す。
優も同様に両手の刀の血を払い
打刀を鞘に収め、その後ろをついて行く。
屋敷内へ踏み入れれば
2階の踊り場から矢が放たれる。
晋助がその矢を防げば、優は刀の持ち手を変え、背後から飛び出し
1階で待ち受けていた敵に切りかかる。
高杉1人だと思っていたのであろう敵兵は
陣を崩される。
矢も降りかかる中、2人の手であっという間に斬り伏せられてゆく。
「なんなのだ、あの女。
高杉と同格、連携まで見事なもの…。
矢を射っても拉致があかん。」
矢の雨がやみ、1階が片付く。
射手は2階で待ち伏せているのだろう。
どうするのかと晋助の顔を伺う。
「優、そのうち万斉が来るはずだ。
この階の掃除を頼む。」
「はい。」
にこやかに返事する
「合流したら追ってこい。」
少し微笑み背を向けて2階へ駆け上がってゆく。
その姿をみて1階の探索と掃除へと当たる。