*chamomile*
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すぐ後ろまで近付いて来たのを感じ
一か八か…そう決心し振り向きソイツの首に刃を構える。
そこに居たのは 話に聞いていた
父様その者の
「虚……」
「おや、私の名を知っていましたか。
ならば分かっているでしょう、私を切った所で何にもならないと。」
諭すように言われ、刀とともに1歩身を引く。
「ふふっ、私が怖いですか……
優。」
私に近付き右手を伸ばす。
優しい声で名を呼ばれただけなのに、私は身動き出来ず刀を落とす。
(違う、父様ではない……父様はもう…)
ただ身を強ばらせていれば
頭をポンとされたかと思えば
前髪を少し撫で、その手は頬までおり
顔が見えるように 上を向かされれば
父様と同じ笑顔を一瞬見せる。
「そんなに怖がらないでください
私は松陽ではなくとも 貴方の父であると思って居るのですから。」
困惑した顔をすれば続けて
「今は貴方を連れて行く気も、殺す気もありませんよ。」
「っ……。」
声すら上手く出せないでいれば
大きな体に包まれる。
服に染み付いた血の香り……。
「ならば……なぜ…ここに…」
絞り出した声で問いかける
「我が子に会いに来てはいけませんか?」
放つ気配と正反対の言動に戸惑いを隠せない。
「1つ、聞いても…?」
「なんです?」
見上げればやはり冷たい目をしてる。
1つなんて言ったけれど聞きたいことはたくさんある。
「最近はほかの惑星にも行ってるようですね。ほかの惑星の
「ほかの惑星にも、
「知らなかったようですね。
幾つかまだあります、行ってみるといい。」
会話中も割れ物に触るかのようにずっと髪を撫で続ける虚。
惑星について問おうとした時
「あのっ……」
数羽の
「そろそろ行かなくてはいけませんね。
優、惜しい気がしますが私は行きます。」
髪を撫でていた手を頬から顎へ滑らせる
「あの……。」
「優、目を閉じなさい。」
一段と冷たい目をしてこちらを見る虚。
その言葉に従い目をキツく瞑れば
満足気な笑いが聞こえ私に触れていた両手は離れる。
「そのまま目を閉じて、上を向いて口を開けなさい。」
その命令から、虚が何をしようとしているのかを悟る。
言われた通りに口を開ける。
(直接は あの時以来……。)
真横に凄まじい気配を感じる。
私の刀を拾っているのだろうか……。
「少しお待たせしてしまいましたね。
短刀など持ち合わせていないので、優、刀お借りしますよ。」
「…はぃ。」
真後ろから気配を感じれば
顔に血液が降りかかる。
「お飲みなさい。
そしていつか私の為になっていただきますよ…。」
思っていた以上の量を飲み干せば
後ろにあった気配は既になくなっていた。