*chamomile*
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山へ入り下りに差し掛かった所で
鬼兵隊や敵の残骸が目に入り始めた。
晋助達の行先を示すように
広がる赤と転がる遺体。
中にはまだ息をしている者もあった
細々しく私の名を呼び
トドメを指してくれと懇願される
「ありがとう、ご苦労さまでした。」
そう伝え、その者が眼を閉じるのをみて首をはねた。
(これ以上犠牲が出る前にたどり着かなくては…。)
その想いで足場の悪い森を抜けた。
森をぬけた先には竹林が現れ
赤い目印を辿っていくと
何人かの鬼兵隊と黒い装束を来た者達が競っている。
加勢し敵を討ち、隊士達をみれば
皆、息絶えだえであった。
「みんな、ご苦労でした。
ここで休息をとっていてください。」
「ま、まだやれます!!」
隊士達はよろよろと立ちそう言うが
「そのまま着いてこられても足手まといです。」
きつい言い方にはなるが隊士達は察したのか
その場に崩れ落ち始める。
「各々応急処置を、して
ここで待っていてください。」
塗り薬と包帯がいくつか入った巾着を置き
さらに竹林の奥へと足を進めれば
奥に屋敷の屋根瓦が見え始める
屋敷の方へ真っ直ぐむかうが
次第に 黒装束の遺体ばかり増えはじめる。
(兵を分散させたのかしら?
だとしたら、晋助とはこのまま進めば合流出来そう。)
そう思った時 笹が騒めき
不穏な空気を感じ足を止め身構えた。
目の前を笹の葉が舞い降りた時
「久しぶりですね、優。」
真後ろから懐かしい声がした。
懐かしく、愛おしい、父の声…
なのだが背後に感じる気配は父のソレとは違った。
振り向き確めれば良いのだが、
振り向いてはいけない気がしてならないのだ。
ゆっくりと背後から近付いてくるのが分かる。
(誰なの…)