*chamomile*
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船の屋根の上に立ち港一体を見渡す。
搬入のトラックは船の横に停まる
運び入れる隊員と共に 椿が船から降りて先導を始めている。
スミレは狙撃手なので
見晴らしの良い私達の部屋への入出を特別許可し、
スタンバイしてくれている。
奥の倉庫の方で爆発が起きる。
双眼鏡で確認すれば
追手と共に負傷しているまた子とそれを担ぐ武市達の姿が目に入る。
真下に居るスミレに
「武市達が追手と帰ってきたみたい。
搬入も時期に終わりそうだから
負傷者を回収出来次第 出発するよう連絡なさい。」
と告げ、少し助走をつけて倉庫の屋根に飛び移る。
振り向きいってきますとスミレに軽く手を振り
爆発が上がった場所へと単独向かう。
昼間に爆発音など起こすものだから
遠くの方から 警察のサイレンが鳴り響き始めている。
「武市先輩、もう先に行ってくださいっス!」
「ここまで来たんです
そんな訳には行きませんよ、また子さん。」
燃え上がる倉庫の瓦礫から2人に斬り掛かる影。
「武市先輩っ!」
また子は武市を精一杯 押し離した
自分が斬られる。
そう思い力むも、いつまで経っても斬撃を食らうことは無かった。
「優さま。」
押し離した武市から 救世主の名がこぼれ、
後ろを振り向けば
白い羽織がゆらゆらとなびいていた。
「優さまぁ」
その背中に安堵の涙がまた子の頬を伝う。
「生き残ってるのは2人だけのようね。」
メラメラと炎を上げ始める道を見つめたまま
ゆっくりと振り向き 微笑みかける。
「優さま、晋助様がっ!!」
痛む体を引きずりながらまた子は優に縋り付く。
それを抱きとめ、優しく頭を撫でる。
「武市、貴方達2人が戻ったらすぐ出発するよう伝えてあるわ。
晋助は何処に?」
武市は手短に要点を話した。
「わかった。また後で落ち合いましょう。」
そう伝え2人と別れ
追手がスミレと椿の負担になり過ぎぬよう
人数を削ぎながら
指定された場所へと向かう。
途中、真選組が倉庫に向かっているのが見えた。
(もう、出発してるといいのだけれど…。)
皆の心配をしながら山へと入る。