*chamomile*
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食堂の方から
隊員たちの賑やかな声が聞こえる
食堂に足を踏み入れば
まだ小柄な少年とガタイのいい大男が
なにやら怒鳴りあっている
私の姿を見るや 苦笑いしながら
隊員の一人が寄ってきて事情を説明してくれた。
原因は この食堂の可憐な少女 よしの をめぐってらしい。
まぁ、いつもの事だそうで。
食堂には 私の育てた女の子達も多いため
隊員たちの恋沙汰は食堂から始まる。
2人の口喧嘩もそろそろヒートアップしてきたので止めにはいる。
「お二人共、肝心な よしの が困り果ててるわよ?」
私の言葉に ハッとしたのか2人は
私と よしの に謝り萎縮しながらも
お互い離れた場所に座る
私も朝食を頂くべく、返却口にて声をかける
私の朝食は
笹に包まれたおにぎりと水筒が出てくる
早朝に山に薬草取りに行くことが多いので
夜の内に握っていつもはテーブルに書置きと共に置いておいてくれてる。
今日はお礼と言われて 茶菓子まで頂いた。
せっかくなので
それらを持って甲板へ出る
「今日も気持ちいい天気。」
コベリに腰掛け
笹を広げる。
おにぎりを頬張りながら
晋助達の動向を考える
(鬼兵隊の主力が全員居ないのって すごく珍しい。
それほどの相手なんだろうけども、戦闘員、とは言い難い武市まで居ないなんて。)
考えを巡らせながら食事を終え
波風に吹かれていれば
船内から慌てて駆け寄ってくる船員
「優さま!武市さまから緊急通信です!」
急いで 隊員と指令室へ向かい
武市からの通信録画を再生してもらう。
内容は 晋助達が押されていることと、
船への襲撃に向かう兵力がある事。
「優さま。」
緊迫した空気で 私の指示を待つ隊員達。
「確かもうすぐは搬入がくるはずだけれど、
現在の船内の食糧などの備蓄数はどれくらいあるの?」
「はい、現在の備蓄数ですと4日ほどは保つと思われます。」
(地球を経つ予定が10日後。
それまでに補充がもう一日あったはずだし、
4日以内に買い出しに行ければ何とかなるかしら…?)
「優さま。何かあったのですか?」
スミレと椿が指令室へと入ってくる。
(この2人の戦力と私で 食糧の補給だけでも終わらせられれば…。
なんとかなるかもしれないわ。)
「食糧のみの補給を終えるまで 私とこの2人で敵は制圧します。
補給の完了次第、私は船を降りて加勢に向かいますが、Aパターンを進行して下さい。」
みな少し驚きを見せたが
了承し、全隊員への連絡を始める。
「優さま。お一人で行かれるのですか?」
「無謀ですわ。」
心配する椿に、続きスミレも反対の声をあげる
「ふふっ、私そんなに弱くみえるかしら?」
笑って2人に問いかければ
そういう訳ではと項垂れている。
「貴方達ふたりにしか頼めないの。
この船に乗っている者たちを私の代わりに、守って頂戴。」
2人の頭を両手で撫でる。
決意したのか2人は真剣な顔付きになる。
その様子に 微笑み。
3人は指令室を後にする