*chamomile*
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光が消え始め
闇が顔をだし始める
幼子は
黄昏時に 命を拾われた·····
┈┈┈天人が本格的に地球侵略を開始した頃
私は3才にも満たない赤子だった
町外れの森の中
私を抱きかかえ 息を切らしながら天人から逃げる母らしき女性
夕陽はまだ微かに覗いているとはいえ、
木々が生い茂り 闇を作る
何度も転びそうになり 木々に体をぶつけながらも
大事に赤子を抱く手は緩めなかった
明るい夕陽が射す方を 目指しひたすらに女は走った
だが、大きな木の根に躓き
幼い私 共々地面に叩きつけられる
苦痛に顔を歪めながらも女は立ち上がり
赤子に手を伸ばす
足を引きずりながらも走り出すが
天人に追いつかれてしまった
女は抵抗するも
天人の手により着物を切り裂かれ
陵辱されんとしていた·····
そして、泣き叫ぶ私を
1匹の天人が仕留めるため
心臓を目掛けホコを突き刺した
私は鋭い痛みに襲われ目の前が真っ暗になった
その時、光が見えて私を刺した天人の影は消えた
「全く 節操がないですね」
薄れゆく意識の中
幼いながらに願った
·····助けて
と
私が再び目を開けた時
夕陽の中から
現れた憂いを帯びた男の顔があった。
抱き抱えられているのか
人の温かさに安堵し 私はそのままもう一度眠ってしまった
あぁ·····私は、 まだ生きている·····
ただ、口の中には未だ味わったことの無い
鉄の味が広がっていた
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