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一
「迅、まだなの?」
「うん。まだ」
二
吾輩はボーダー隊員である。名前は当然あるが、冴えないB級隊員などのっぺらぼうと変わらない。未来視もできなければ街のアイドルでもなく、人望の無さも相俟って率いる隊もない。入隊初日、薄暗いじめじめした本部の一角でがたがた震えていた事だけは記憶している。
これはきっと誰の記憶にも残らない物語だ。
クリスマスを心待ちにする子どもにとっての11月。このマンションが出来る前にあった小さなパン屋。たまたま蹴り飛ばした小石のゆくえ。思い出されることもない。仮に誰かが思いを馳せたところですでに遠くに行ってしまっている。決して再び手に入ることはない。
そんな取るに足らない人間の物語でいいのなら、始めよう。
「迅、まだなの?」
「うん。まだ」
二
吾輩はボーダー隊員である。名前は当然あるが、冴えないB級隊員などのっぺらぼうと変わらない。未来視もできなければ街のアイドルでもなく、人望の無さも相俟って率いる隊もない。入隊初日、薄暗いじめじめした本部の一角でがたがた震えていた事だけは記憶している。
これはきっと誰の記憶にも残らない物語だ。
クリスマスを心待ちにする子どもにとっての11月。このマンションが出来る前にあった小さなパン屋。たまたま蹴り飛ばした小石のゆくえ。思い出されることもない。仮に誰かが思いを馳せたところですでに遠くに行ってしまっている。決して再び手に入ることはない。
そんな取るに足らない人間の物語でいいのなら、始めよう。
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