宇宙旅行
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「は……?今、なんて」
「……鳩原が隊務規定違反でクビになった。もう隊室からも引き払ってるらしい。」
「何それ……?あの鳩原ちゃんが?」
A級二宮隊の狙撃手、鳩原未来の隊務規定違反。それはボーダーという狭い世界でセンセーショナルな話題として広まっていった。
「そもそも一発でクビになるような違反って何?暴れん坊のカゲですら減点とか謹慎とかで済んでるのに?」
「俺が知るかよ。これだけA級の隊長会議で言われたんだ。あと連帯責任で二宮隊はB級降格だとよ」
安曇野さんは深く息を吐いてソファーにどかりと座った。安曇野隊と同時期にA級昇格した二宮隊。思うところがあるのだろう。
「おい。どこ行くんだ」
「二宮さんのとこ」
「やめとけ、アイツだって今回ばかりは参ってるだろ、そっとしといてやれ」
「……でも」
「落ち着いて考えてみようよ」
わたしと安曇野さんの二人だった隊室に、響が入ってきた。辻ちゃんとランク戦の予定だと言っていたが、それどころじゃなくて帰ってきたのだろう。響と仲良しの辻ちゃんも、二宮隊だ。
「前に暴力行為かましたカゲ先輩はポイント失効で済んでる。じゃあ鳩原先輩が脱隊になるほどの行為って?」
「……ボーダーの運営が危うくなるレベルのもの」
「そうだろうね。じゃあボーダー運営の根幹にあるものは?」
「近界民を倒すこと、近界民から街を守ること」
「うん、それらを脅かす行為とは?」
「近界民に寝返ること。近界民に協力すること。」
「……その理論だと玉狛は黒寄りのグレーだな」
「まあまあ。俺はそういう風に考えてたんですけど、辻から聞いてた鳩原先輩の性格となーんか一致しないんですよね」
そう言って響はテーブルの上のドーナツに手を伸ばした。
「実際、上層部が鳩原先輩のやったことを具体的に公表しないのはワケ有りだと思いますよ。例えば市民やスポンサーに知られたくないとか、他の人に真似されたら困るとか」
「絶対に外部に漏らさないようにするにはボーダー内でも情報統括が必要だからな。」
二人が冷静に話す中、わたしの頭の中はぐちゃぐちゃだった。二宮さんが腕のいい狙撃手が入ったと幾分嬉しそうに話す顔。二宮隊と、鳩原ちゃんと戦ったこと。共にA級を目指したこと。昇格したこと。後輩の犬飼くん、響と仲良しの辻ちゃん。鳩原ちゃんの弟子の絵馬くん。
「……あー、名前。俺雷蔵に用事あるから今日は研究室籠りっぱになるけど、くれぐれも変なことはするなよ」
「!……俺も小テストの勉強したいからもう帰ろうかな。姉さん一人になるけど危ないことはしないでね」
「……!名字了解」
「……鳩原が隊務規定違反でクビになった。もう隊室からも引き払ってるらしい。」
「何それ……?あの鳩原ちゃんが?」
A級二宮隊の狙撃手、鳩原未来の隊務規定違反。それはボーダーという狭い世界でセンセーショナルな話題として広まっていった。
「そもそも一発でクビになるような違反って何?暴れん坊のカゲですら減点とか謹慎とかで済んでるのに?」
「俺が知るかよ。これだけA級の隊長会議で言われたんだ。あと連帯責任で二宮隊はB級降格だとよ」
安曇野さんは深く息を吐いてソファーにどかりと座った。安曇野隊と同時期にA級昇格した二宮隊。思うところがあるのだろう。
「おい。どこ行くんだ」
「二宮さんのとこ」
「やめとけ、アイツだって今回ばかりは参ってるだろ、そっとしといてやれ」
「……でも」
「落ち着いて考えてみようよ」
わたしと安曇野さんの二人だった隊室に、響が入ってきた。辻ちゃんとランク戦の予定だと言っていたが、それどころじゃなくて帰ってきたのだろう。響と仲良しの辻ちゃんも、二宮隊だ。
「前に暴力行為かましたカゲ先輩はポイント失効で済んでる。じゃあ鳩原先輩が脱隊になるほどの行為って?」
「……ボーダーの運営が危うくなるレベルのもの」
「そうだろうね。じゃあボーダー運営の根幹にあるものは?」
「近界民を倒すこと、近界民から街を守ること」
「うん、それらを脅かす行為とは?」
「近界民に寝返ること。近界民に協力すること。」
「……その理論だと玉狛は黒寄りのグレーだな」
「まあまあ。俺はそういう風に考えてたんですけど、辻から聞いてた鳩原先輩の性格となーんか一致しないんですよね」
そう言って響はテーブルの上のドーナツに手を伸ばした。
「実際、上層部が鳩原先輩のやったことを具体的に公表しないのはワケ有りだと思いますよ。例えば市民やスポンサーに知られたくないとか、他の人に真似されたら困るとか」
「絶対に外部に漏らさないようにするにはボーダー内でも情報統括が必要だからな。」
二人が冷静に話す中、わたしの頭の中はぐちゃぐちゃだった。二宮さんが腕のいい狙撃手が入ったと幾分嬉しそうに話す顔。二宮隊と、鳩原ちゃんと戦ったこと。共にA級を目指したこと。昇格したこと。後輩の犬飼くん、響と仲良しの辻ちゃん。鳩原ちゃんの弟子の絵馬くん。
「……あー、名前。俺雷蔵に用事あるから今日は研究室籠りっぱになるけど、くれぐれも変なことはするなよ」
「!……俺も小テストの勉強したいからもう帰ろうかな。姉さん一人になるけど危ないことはしないでね」
「……!名字了解」
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