「あっ迅だ」
「ゲッ」
ゲッとは何だ失礼な。珍しく開発室から出てきた迅をとっ捕まえた。
「何してたの？トリガーの故障？鬼怒田さんのご機嫌取り？」
「おれご機嫌取りしなくても鬼怒田さんと仲良いから」
「うらやま」
トリガーとか換装体の調整で会って話はするけどもっと仲良くなりたい。今度貢ぎ物とか贈ろう。
「……新しいブレードが欲しくてさ、弧月より軽量の」
「それ絶対太刀川さん意識でしょ」
「まあね、弧月じゃあの人は勝ち越せない」
「サイドエフェクト込みで迅にそう言わせるなんて太刀川さんヤバくない？ゴリラ？」
「ゴリラではないけど内申はヤバいらしいよ」
「ウケる」

「いいなーわたしもライバル欲しい。バチバチで勝率五分五分くらいの」
「おれじゃ不満？」
「同じポジションがいいの！」
確かに迅との勝率は五分五分くらいだけども。……ややわたしが負けてるかな。