グレー・コラージュ・ソング
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「イチカちゃんは……」
「呼び捨てでお願いシマス!」
「じゃあ……イチカは三門市出身なの?」
「いいえ、最近こっちに引っ越してきました!」
朱村 イチカと名乗った彼女は高校一年生だそうだ。魔法少女になったのは一年前くらいらしい。……もうすぐ二月だけど、こんな中途半端な時期に引っ越し?
「大好きな彼氏がボーダーって組織にスカウトされたので追ってきました!」
恋はナマモノなのです!と拳を握り締めて見せた。方向性はともかく、その熱意は割と見習っていきたいかもしれない。
イチカはわたしの半壊アパートから徒歩10分ほどのところに住んでいるようだ。両親と住んでるって言ってたけど、どうやって親御さんに引っ越しを承諾させたんだろう。意外にも策士なタイプなのだろうか。
「名前せんぱーい!帰ったらちゃんと連絡先登録しといてくださいよー!」
「はいはーい、聞こえてるよ。またね」
「さよならー!」
何はともあれ、仲間が増えた。
「いっちょあがりー!」
「やっぱり二人だとやり易いね」
魔女の結界を探すにも、使い魔や魔女を倒すにも、二人の方が断然効率がいい。イチカの武器は銃だから連携もしやすいし大変助かっている。
「せんぱいってずっと一人で戦ってたんですか?」
「……あー三年前までは、先輩の魔法少女と一緒だったよ」
それ以降はひとり。誤魔化すように地面を蹴った。変身を解いていなかったのでアスファルトが抉れた。__先輩の、魔法少女。鮮やかな緑色をわたしは一生、忘れることができないだろう。
「……聞かない方がよかったですか」
「イチカは、どのくらい知ってる?魔法少女のこと」
「あたしたちの最期のこと、は知ってます」
もう人間じゃないってことも。溌剌とした普段の表情は影を潜め、空を睨むようにそう言った。
「でもいいんです!イチカはもうゾンビみたいなもんですけど、大好きな彼氏は生きてるし、魔女退治だって嫌いじゃないし!最期までやりたいことやってやるんです!」
ふんす、と大袈裟に意気込んで見せた。その目から絶望は感じ取れない。
彼女はそれを知った時、どんな気持ちだったんだろう。怒っただろうか、恨んだだろうか、悲しんだだろうか、呪っただろうか。それでも……わたしみたいに、諦めたり、しなかったんだ。
「イチカは、すごい子だね」
「エッほんとですか!?あたし、褒められると伸びるタイプなんです!もっと褒めてください!」
「調子に乗らない」
つぼみさん、貴方みたいなすてきな先輩にわたしはなりたいよ。
「呼び捨てでお願いシマス!」
「じゃあ……イチカは三門市出身なの?」
「いいえ、最近こっちに引っ越してきました!」
「大好きな彼氏がボーダーって組織にスカウトされたので追ってきました!」
恋はナマモノなのです!と拳を握り締めて見せた。方向性はともかく、その熱意は割と見習っていきたいかもしれない。
イチカはわたしの半壊アパートから徒歩10分ほどのところに住んでいるようだ。両親と住んでるって言ってたけど、どうやって親御さんに引っ越しを承諾させたんだろう。意外にも策士なタイプなのだろうか。
「名前せんぱーい!帰ったらちゃんと連絡先登録しといてくださいよー!」
「はいはーい、聞こえてるよ。またね」
「さよならー!」
何はともあれ、仲間が増えた。
「いっちょあがりー!」
「やっぱり二人だとやり易いね」
魔女の結界を探すにも、使い魔や魔女を倒すにも、二人の方が断然効率がいい。イチカの武器は銃だから連携もしやすいし大変助かっている。
「せんぱいってずっと一人で戦ってたんですか?」
「……あー三年前までは、先輩の魔法少女と一緒だったよ」
それ以降はひとり。誤魔化すように地面を蹴った。変身を解いていなかったのでアスファルトが抉れた。__先輩の、魔法少女。鮮やかな緑色をわたしは一生、忘れることができないだろう。
「……聞かない方がよかったですか」
「イチカは、どのくらい知ってる?魔法少女のこと」
「あたしたちの最期のこと、は知ってます」
もう人間じゃないってことも。溌剌とした普段の表情は影を潜め、空を睨むようにそう言った。
「でもいいんです!イチカはもうゾンビみたいなもんですけど、大好きな彼氏は生きてるし、魔女退治だって嫌いじゃないし!最期までやりたいことやってやるんです!」
ふんす、と大袈裟に意気込んで見せた。その目から絶望は感じ取れない。
彼女はそれを知った時、どんな気持ちだったんだろう。怒っただろうか、恨んだだろうか、悲しんだだろうか、呪っただろうか。それでも……わたしみたいに、諦めたり、しなかったんだ。
「イチカは、すごい子だね」
「エッほんとですか!?あたし、褒められると伸びるタイプなんです!もっと褒めてください!」
「調子に乗らない」
つぼみさん、貴方みたいなすてきな先輩にわたしはなりたいよ。