グレー・コラージュ・ソング
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この間の大規模侵攻は、四年前のもの程ではないにしろ、三門市にかなりの被害を与えた。それでも一般市民の死者は0。負傷者も行方不明者もボーダー内の死者も出たけど、ボーダーが奮闘してくれたお陰の結果であると思う、わたしはね。
住んでいたアパートは全壊とまではいかないけど窓が割れてたり壁にヒビが入っていたりと割と変わり果てた姿だった。……これ市から補助金とか出るのかな。
自費で修理したり引っ越せるくらいのまとまったお金が無いし、ボロボロになった部屋でわたしは侵攻前と変わらない生活を送っている。
世間はボーダーの記者会見で発せられた「近界遠征」で話題が持ちきりである。メガネの男の子が記者に責められるのは本当に胃がキリキリした。まだ中学生の彼が言った言葉が頭をよぎる。__ぼくはヒーローじゃない。
「……ああいう子が正しく正義のヒーローなんだよ」
紛い物の魔法少女 と違って。
「どうなっとる!?」
記者会見を終えB級ランク戦ももうすぐ開催されようとし、ボーダーにも日常が帰ってきた。
「以前ラッドがトリオン兵に紛れ込んでたし、一応撤去ついでにトリオン兵をざっと検査してたんだけどちょっとおかしいデータが出たんだよな」
冬島さんがパソコンを操作しその“ちょっとおかしいデータ”をモニターに表示した。
「基地北東部から回収されたモールモッド計27体からトリガー反応が検出されなかった」
「トリガーを使わずにモールモッドを倒したということか?」
「それか何らかの手段でトリガー反応が出ないように細工したとか」
「ありえん!スパコンでも引っさげとらん限り出来るわけがない!」
「近界民のテクノロジーならもしかしたら可能かもな」
会議室にちらほら動揺が生まれた。確実に言えることは、隊員以外の何者かがトリオン兵27体を倒したということ。
トリガー反応が出ない、トリオン兵を倒せる力。瞼の裏に水色のワンピースがはためいた。
「とりあえず技術者 チームで解析は続けるつもりだ。くれぐれも他の隊員にこの話は公言するなよ」
「あー鬼怒田さん」
「この件、実力派エリートに任せてくれない?」
住んでいたアパートは全壊とまではいかないけど窓が割れてたり壁にヒビが入っていたりと割と変わり果てた姿だった。……これ市から補助金とか出るのかな。
自費で修理したり引っ越せるくらいのまとまったお金が無いし、ボロボロになった部屋でわたしは侵攻前と変わらない生活を送っている。
世間はボーダーの記者会見で発せられた「近界遠征」で話題が持ちきりである。メガネの男の子が記者に責められるのは本当に胃がキリキリした。まだ中学生の彼が言った言葉が頭をよぎる。__ぼくはヒーローじゃない。
「……ああいう子が正しく正義のヒーローなんだよ」
紛い物の
「どうなっとる!?」
記者会見を終えB級ランク戦ももうすぐ開催されようとし、ボーダーにも日常が帰ってきた。
「以前ラッドがトリオン兵に紛れ込んでたし、一応撤去ついでにトリオン兵をざっと検査してたんだけどちょっとおかしいデータが出たんだよな」
冬島さんがパソコンを操作しその“ちょっとおかしいデータ”をモニターに表示した。
「基地北東部から回収されたモールモッド計27体からトリガー反応が検出されなかった」
「トリガーを使わずにモールモッドを倒したということか?」
「それか何らかの手段でトリガー反応が出ないように細工したとか」
「ありえん!スパコンでも引っさげとらん限り出来るわけがない!」
「近界民のテクノロジーならもしかしたら可能かもな」
会議室にちらほら動揺が生まれた。確実に言えることは、隊員以外の何者かがトリオン兵27体を倒したということ。
トリガー反応が出ない、トリオン兵を倒せる力。瞼の裏に水色のワンピースがはためいた。
「とりあえず
「あー鬼怒田さん」
「この件、実力派エリートに任せてくれない?」