グレー・コラージュ・ソング
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警戒区域にほど近いこの地区に住んでいるのは、わたしみたいにお金をケチっている若者が大半だ(警戒区域に近いほど危険性は増すのでその分家賃は安くなる)。約4年前の大規模侵攻はわたしたちから多くの物を奪い、少しの教訓を与えた。
避難シェルターもその教訓の一つだ。ボーダーが三門市の各地に設置したそれはかなりの強度を誇る。避難訓練でも「シェルターに、シェルターから遠すぎる場合は丈夫な建物に避難」と教えられる。そんな頼りになるシェルターが今。
ガンガンガンガンガン
音を立てて破られようとしている。
「ちょっと……これヤバくない……?」
「何これ……?外から叩かれてる?えっ大丈夫だよねこれ!?」
シェルター内の隅で抱き合うカップルが動揺を隠せず呟く。外からは確かにシェルターの扉を叩く音が聞こえる。……まずいのでは?
ポケットの上からスマホに触れた。もし、今迅くんに電話なりすれば、もしかしたら助けに来てくれるかもしれない。すぐには連絡に気付かなくても、この状況に気付いてくれるか分からないボーダー隊員を待つより、助かる確率は高いだろう。でも、それでいいの?
一応警戒区域外のここにも敵が来てるってことは、外では近界民が大暴れしているんだろう。きっと迅くんもその対応に当たっている、戦っている。このまま迅くんが救える命と、このシェルターの中のわたしたち、どちらが優先されるべき?わたしには今、何が出来る?
「……ぐずっ……」
泣き噦る中学生くらいの女の子と、それを抱き締めるお母さんの姿。わたしはシェルターの扉を少しだけ開け体を滑り込ませ、すぐに後ろ手で閉じた。爆発音が響くシェルターの外。目の前には白い近界民。
約4年前の大規模侵攻はわたしたちから多くの物を奪い、少しの教訓を与えた。これもその一つだ。__他の女の子を、わたしと同じ目に遭わせてはいけない。
避難シェルターもその教訓の一つだ。ボーダーが三門市の各地に設置したそれはかなりの強度を誇る。避難訓練でも「シェルターに、シェルターから遠すぎる場合は丈夫な建物に避難」と教えられる。そんな頼りになるシェルターが今。
ガンガンガンガンガン
音を立てて破られようとしている。
「ちょっと……これヤバくない……?」
「何これ……?外から叩かれてる?えっ大丈夫だよねこれ!?」
シェルター内の隅で抱き合うカップルが動揺を隠せず呟く。外からは確かにシェルターの扉を叩く音が聞こえる。……まずいのでは?
ポケットの上からスマホに触れた。もし、今迅くんに電話なりすれば、もしかしたら助けに来てくれるかもしれない。すぐには連絡に気付かなくても、この状況に気付いてくれるか分からないボーダー隊員を待つより、助かる確率は高いだろう。でも、それでいいの?
一応警戒区域外のここにも敵が来てるってことは、外では近界民が大暴れしているんだろう。きっと迅くんもその対応に当たっている、戦っている。このまま迅くんが救える命と、このシェルターの中のわたしたち、どちらが優先されるべき?わたしには今、何が出来る?
「……ぐずっ……」
泣き噦る中学生くらいの女の子と、それを抱き締めるお母さんの姿。わたしはシェルターの扉を少しだけ開け体を滑り込ませ、すぐに後ろ手で閉じた。爆発音が響くシェルターの外。目の前には白い近界民。
約4年前の大規模侵攻はわたしたちから多くの物を奪い、少しの教訓を与えた。これもその一つだ。__他の女の子を、わたしと同じ目に遭わせてはいけない。