穏やかな時間(未定)

「それじゃ、オディロ院長…行ってきます」

自身より遥かに身長の低いオディロと最後の別れの挨拶を交わす為、両膝を折り曲げ、中腰の体勢になり目線を合わせるククール 

通常ならば幾ら密かに慕う育て親のオディロと言えど、何とも言えない気恥かしさから目線をしっかりと合わせる事はしない彼なのだが

やはり今度は何時マイエラ修道院に顔を出せるか分からない以上、最後の挨拶はキチンと締めたいのはククールなりのけじめが優しさか


「うむ…

またこの付近に立ち寄る事があれば何時でも気軽に帰って来るのじゃぞ、…お主の家は誰が何と言おうとも此処なのだからな…?

愛しておる…ワシの自慢のククール…___」

自身と目線を合わす為に屈んでいるククールの後頭へ皺くちゃな片手を回し自分の方に引き寄せるオディロ

自らの顔にククールの顔を近付ければ額同士を優しく合わせる

そして目が合えば、深く刻まれた大量の皺の中から覗く二つの底知れぬ慈愛に満ちた温かなオディロの瞳

そんな瞳と至近距離で目が合えば、不思議と目頭がジワリと熱くなるククール

「「「「……………」」」」

そんな二人の最後の挨拶を、少し離れた場所から邪魔しない様に温かな目で見守る一同

因みにこうゆう場面に意外にも一番弱いヤンガスは、鼻をビービ啜りながら貰い泣きをし、男泣きをしている

そんなヤンガスの小刻みに震える背中を介抱する優しき兄貴分エイト



「…っ…!……ロ、院、長…っ」

「さあ…未だ見ぬ世界へと、新たなる仲間達と自由に羽撃いて行くが良い…!」

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