第1章 どん底の街
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恩人であるお二人にご飯をご馳走した。といっても行った店は普通の牛丼屋だけどね。赤いスーツの彼からの食い溜め宣言を聞いて覚悟はしていたが、これまた豪快にかっ食らっていった。最後らへん店員さんも苦笑いだったもん。
その時にお互いに自己紹介もした。赤いスーツの方は春日一番さん。眼鏡をかけた方はナンバさん。彼らの服装からまあ想像はついていたが、現在はホームレスで家も無いらしい。
お会計をして店を出る。ナンバさんがぐぐーっと背を伸ばし、幸せそうにパンパンに膨らんだ腹を撫でた。
「はー……久しぶりに腹いっぱい食ったぜぇ……」
「すまねえなナナシさん。久しぶりの牛丼だと思ったら箸が止まらなくてよぉ……」
眉を下げた春日さんがそう謝る。俺はいえいえと首を振った。
「見てて面白い、気持ちの良い食いっぷりでしたよ。奢ったかいがありました」
「へへ、なら良かった」
安心した顔をする春日さん。そんな彼の後ろからひょこりとナンバさんが顔を出した。
「なんなら、もっと遠慮せずに食えば良かったな」
「え”っ”……」
「フッ、冗談だよ」
あれ以上食われていたら仕事用のお金を出すところだったので本当にナンバさんの言葉には肝が冷えた。
「しかし、なんともまあ、あんなに食っても怒らないとはほんと、あんたが神様に見えてきたぜ」
ありがたやありがたやと、ナンバさんは半ばふざけた感じで手を合わせる。そんな仕草をされちゃ可笑しくて笑った。
「ナンバさん大げさですよ。まあ、お気に召されて良かったです。俺はこれから用事があるので失礼します」
ペコリと俺は二人に頭を下げる。
「おう!」
「またな」
ヒラヒラと手を振って二人と別れる。そろそろ仕事の時間だ。頭に仕事のスイッチを入れ、俺は繁華街を歩き出した。
その時にお互いに自己紹介もした。赤いスーツの方は春日一番さん。眼鏡をかけた方はナンバさん。彼らの服装からまあ想像はついていたが、現在はホームレスで家も無いらしい。
お会計をして店を出る。ナンバさんがぐぐーっと背を伸ばし、幸せそうにパンパンに膨らんだ腹を撫でた。
「はー……久しぶりに腹いっぱい食ったぜぇ……」
「すまねえなナナシさん。久しぶりの牛丼だと思ったら箸が止まらなくてよぉ……」
眉を下げた春日さんがそう謝る。俺はいえいえと首を振った。
「見てて面白い、気持ちの良い食いっぷりでしたよ。奢ったかいがありました」
「へへ、なら良かった」
安心した顔をする春日さん。そんな彼の後ろからひょこりとナンバさんが顔を出した。
「なんなら、もっと遠慮せずに食えば良かったな」
「え”っ”……」
「フッ、冗談だよ」
あれ以上食われていたら仕事用のお金を出すところだったので本当にナンバさんの言葉には肝が冷えた。
「しかし、なんともまあ、あんなに食っても怒らないとはほんと、あんたが神様に見えてきたぜ」
ありがたやありがたやと、ナンバさんは半ばふざけた感じで手を合わせる。そんな仕草をされちゃ可笑しくて笑った。
「ナンバさん大げさですよ。まあ、お気に召されて良かったです。俺はこれから用事があるので失礼します」
ペコリと俺は二人に頭を下げる。
「おう!」
「またな」
ヒラヒラと手を振って二人と別れる。そろそろ仕事の時間だ。頭に仕事のスイッチを入れ、俺は繁華街を歩き出した。