風紀委員長の日常
Target.04 渋々付き合った件について
早朝。閑静な住宅街を肩を切って歩く。この時間帯すき。静かで人も少ないから散歩に丁度良い。ただ、今日は不本意の散歩だった。
「(暴走族ってなんであんなに群れたがるのだろうか。虫かな?)」
駅長から電話があり、駅前にたむろした暴走族をどうにかしてほしいと頼まれたのだ。まあ、こっちも防犯カメラの情報提供とかで色々と世話になってるしな。無償で助けてやった。こういうのはギブアンドテイクだ。
しっかし、あいつらのせいで睡眠時間が削れたと思うと腹が煮えくり返る。まぁ、バイク壊してやったしもう下手なことしないだろう。報復にくるならそれはそれで楽しい。
そう思考していると、バァンと力強く背中を叩かれた。いてえ。振り向くとトレーニングウェアを着た笹川が嬉しそうな顔で立っていた。な、なぜここにいる。
「おはよう!! 極限にいい朝だな、恭弥!!」
笹川が平然と僕のとなりに並ぶ。いや、並ぶな。僕は頭を押さえてため息を吐く。
「君がくる前は良い朝だったよ」
僕は歩を早くする。それに合わせてくる笹川。合わせるな。
「この道は毎日のランニングコースでなぁ。道中に公園もある、極限ベストコースなのだ!」
「(よし。朝はこの道通らないようにしとこう)」
笹川が話しかけてくるが徹底的に無視する。なのに笹川はずんずんと話を進めてく。
「これからその公園でトレーニングをするのだが、恭弥も一緒に来ないか?」
楽しいぞと、朝イチの太陽に負けない明るさを持つ笑顔でそう誘う。くそ、いい顔しやがって……。
「行かない」
「そう言わずに、一緒にトレーニングしようではないか! そうだ、スパーリングとかはどうだ? お前が相手なら張り合いもあるしな!」
笹川が言うには、最近スパーリングしようと部員の奴を誘っても断られるらしい。いや、それ、お前が強すぎるから断られてるんだぞ。
「行かない」
すまないな笹川。お前と仲良くするのはダメなんだ。
「……そうか。わかった」
やっと諦めたか。そうだよ。僕は君と仲良しこよしはできない。僕は孤高でなきゃいけないんだ。
「無理に誘ってすまなかったな、恭弥」
こ、孤高でなきゃ……いけな、い……。
「それじゃ、また学校でな!」
にかっと笑って笹川は僕に背を向けて去ろうとする。落ち込んでるのバレバレだよ。胸がチクリと痛んだ。
「ねぇ」
気づいたら笹川の背中に声をかけてた。自分でもどうかしてるなと思う。暗い顔で振り向いた笹川がどうしたと疑問符をうかべる。
「10分だけなら相手してやっても、いい」
「……本当か!!」
この時の笹川の笑顔はまるでヒマワリのようでした。前世だったら鼻血出してた。By,僕
早朝。閑静な住宅街を肩を切って歩く。この時間帯すき。静かで人も少ないから散歩に丁度良い。ただ、今日は不本意の散歩だった。
「(暴走族ってなんであんなに群れたがるのだろうか。虫かな?)」
駅長から電話があり、駅前にたむろした暴走族をどうにかしてほしいと頼まれたのだ。まあ、こっちも防犯カメラの情報提供とかで色々と世話になってるしな。無償で助けてやった。こういうのはギブアンドテイクだ。
しっかし、あいつらのせいで睡眠時間が削れたと思うと腹が煮えくり返る。まぁ、バイク壊してやったしもう下手なことしないだろう。報復にくるならそれはそれで楽しい。
そう思考していると、バァンと力強く背中を叩かれた。いてえ。振り向くとトレーニングウェアを着た笹川が嬉しそうな顔で立っていた。な、なぜここにいる。
「おはよう!! 極限にいい朝だな、恭弥!!」
笹川が平然と僕のとなりに並ぶ。いや、並ぶな。僕は頭を押さえてため息を吐く。
「君がくる前は良い朝だったよ」
僕は歩を早くする。それに合わせてくる笹川。合わせるな。
「この道は毎日のランニングコースでなぁ。道中に公園もある、極限ベストコースなのだ!」
「(よし。朝はこの道通らないようにしとこう)」
笹川が話しかけてくるが徹底的に無視する。なのに笹川はずんずんと話を進めてく。
「これからその公園でトレーニングをするのだが、恭弥も一緒に来ないか?」
楽しいぞと、朝イチの太陽に負けない明るさを持つ笑顔でそう誘う。くそ、いい顔しやがって……。
「行かない」
「そう言わずに、一緒にトレーニングしようではないか! そうだ、スパーリングとかはどうだ? お前が相手なら張り合いもあるしな!」
笹川が言うには、最近スパーリングしようと部員の奴を誘っても断られるらしい。いや、それ、お前が強すぎるから断られてるんだぞ。
「行かない」
すまないな笹川。お前と仲良くするのはダメなんだ。
「……そうか。わかった」
やっと諦めたか。そうだよ。僕は君と仲良しこよしはできない。僕は孤高でなきゃいけないんだ。
「無理に誘ってすまなかったな、恭弥」
こ、孤高でなきゃ……いけな、い……。
「それじゃ、また学校でな!」
にかっと笑って笹川は僕に背を向けて去ろうとする。落ち込んでるのバレバレだよ。胸がチクリと痛んだ。
「ねぇ」
気づいたら笹川の背中に声をかけてた。自分でもどうかしてるなと思う。暗い顔で振り向いた笹川がどうしたと疑問符をうかべる。
「10分だけなら相手してやっても、いい」
「……本当か!!」
この時の笹川の笑顔はまるでヒマワリのようでした。前世だったら鼻血出してた。By,僕