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風紀委員長の日常

Target.02 腐れ縁がうるさい件について

 応接室にまた笹川がきた。今回もうるさい。それは沢田綱吉が関わっていたのが原因である。にしても、笹川うるせえ。この一言に尽きる。


「オレを引きずり走っても息ひとつ乱れず、その上あの熱く、力強い腕力!!」


 ちょっとキレていいかな? キレていいよね? 応接室に来てからずっと喋り続けてるんだけど。こちとら書類整理しているんやぞ。これ終わらせないと今日は学校で徹夜残業なんだぞ!!


「沢田ツナ!! 千年に一人の逸材だ!!」


 ピシッと万年筆にヒビが入る。草壁が追い出しますかと聞いてきたが、僕は首をふった。

 ちょうどむしゃくしゃしてたんだ。憂さ晴らしに丁度いいね。そっと笹川の元に歩み寄る。


「ということで、沢田ツナを我がボクシング部に入部させることにした!」
「で、それを僕の執務を妨害するほどに言いふらす理由は?」
「む? あぁそうだった! 恭弥、入部届の紙をくれないか?」


 僕は笹川の襟を後ろから掴み持ち上げる。


「ぬぉ!? 何をするんだ恭弥!?」


 笹川をペイッと応接室からつまみ出し、鍵をかけた。ドンドンと引き戸を叩かれるが知ぃーらねっ!

 まったく、なにかと理由をつけて応接室に来やがって。ったく……。デスクに座りため息をこぼす。


「……草壁。お茶」
「へい、ただいまお持ちします!」


 そう返答して草壁は横の給湯室へ消える。笹川が沢田を知ったということは、標的14か。沢田綱吉が放課後、笹川とやりあうんだっけ。


「(……まあ、僕には関係ないね)」


 給湯室から草壁がお茶をもって帰ってきた。デスクに置かれたお茶に少し口をつける。やっぱいいなほうじ茶は。



□◇□◇



 はい徹夜残業コース確定ぃー!! こなくそおー!! 現在、夜中の11時です。

 Excelねえかなあ。パソコン欲しいなあ。うん、予算に検討しておこう。でもいまの時代のパソコンはまだ機能性低いんだよな。まだフロッピーディスクがブイブイいってるし。

 はあ、そんなこと考えている暇はない。明日までに終わらせないといけないんだよな。


「そうだ、コンビニ行こう」


 腹が減ったらなんちゃらってな。多少の徹夜はまだこの中学生の若さだから大丈夫だが、腹だけはどうにもならない。

 愛車で来たのは学校から一番近いコンビニ。いやね? 実は立地にうちの風紀委員会も茶々入れていたんだ。なので一番好きなヴァミマを建てて貰った。自分で言うのもなんだけど、うちの委員会すげえな?


「(エナドリとのりしおポテチ……エビマヨおにぎりも食うか)」


 夜食をかごに入れて会計しようとレジに近寄る。


「らっしゃっせー」


 ワオ。おま、獄寺隼人じゃねえか。あー、そういや原作でコンビニバイトしてる場面とかあったよな。


「んだよ? てめえなに睨んでんだ?」
「……いや、なにも」


 おっと、これ以上目を合わせてたらバトルしかけてきそうだ。会計済ませて貰ってさっさっと出た。後ろで店長が獄寺に注意する声が聞こえる。


「(もうこのコンビニ、来れねえな……)」


 今度から風紀委員をパシらせようと誓った。
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