君と月とお酒
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シュテルンビルトのシルバーステージに建つ高層マンションの最上階。ベランダのテーブルにて、今日もひとり月見酒。椅子に深く座り、お気に入りのグラスにビールを注ぎ込む。ホップの良い香りに思わずほうっと息をはく。これだよこの匂い。
「おっとっと!」
グラスから溢れそうになった泡に焦り、慌てて口をつける。しゅわっとした舌触りと苦味が口内に広がった。あーうまい。
「あっぶねー。もったいないことすんとこだったわ。」
故郷のビールを一滴も無駄にしたくないからな! 取り寄せるの苦労したんだぞ! ビールに合うように用意した枝豆をつまみ、ビールを喉に流し込む。あー幸せ。
「……あっ。」
空の彼方に飛行機雲が浮かんでいるのが見えた。いや、どっちかっつーとジェット雲か? 俺は室内に引っ込み、水が入ったコップとピッチャーを持ってまたベランダに戻ってきたときには、予想していた来客が向かいの椅子に座って待っていた。
「こんばんわ片山くん! 今日は晴れていい天気だ。絶好のパトロール日和だよ!」
ヘルメットを外し、完璧にリラックスしている金髪の好青年は歯を見せて笑う。キラーンと光ったような錯覚が見えた。うおっまぶしっ!
「こんばんわ。ほれ、水。」
「いつもありがとう! そしてありがとう!」
オレから水を受け取り、いただきますと言ってごくごくと勢いよく水を飲むこいつはスカイハイ。ご存じの通り、このシュテルンビルトのキングオブヒーローである。本名はキースというらしい。オレの家に弾丸のごとく(文字通りに、ね)突っ込んで来た日から、パトロール中にこうしてウチに訪ねて休憩してくるようになった。
キースの対面に座り、ビールを飲む。うまうま。合間に枝豆をつまんでいるとキースの視線に気づいた。物欲しそうな顔で枝豆を見るキース。
「キースも食べるか?」
枝豆の乗った皿をキースの方に押す。キースはパァっと嬉しそうな顔をする。
「いいのかい!?」
「まだまだあるしな。」
「ありがとう! あまり見ない食べ物だったから気になってたんだ!」
キースは枝豆を摘まむ。んんっ?と悩んだ顔をしていたが、オレが枝豆を食べているところをみて分かった表情をした。
「皮は食べれないからな~」
「なっ!? わ、私でもそれくらいは知っているさ!」
図星をつかれたのだろうワタワタした。キースは枝豆を指で押し、出てきた豆を食べる。キースの頬が上がるのが見えて、オレもつられて笑った。
「おいしい!」
「だろ?」
枝豆をプチプチと食べるキース。明るい表情になったキースを見てオレは心がじんわり暖かくなった。オレはビールで、キースは水で枝豆を摘まむ。
「片山くんはいつも、実に美味しそうにお酒を飲むね。」
「労働のあとの一杯のほど格別なものはねーぞ? アルコール万歳!」
いえーいとビールを掲げるオレにキースは微笑む。ほどほどにねとキースに言われてしまい、はーいと返事した。
「片山くんが美味しそうに飲んでるのを見ると、私もお酒が飲みたくなるよ。」
「なら今度、一緒に飲みに行こうぜ? うめえ酒だしてくれるバー知ってるから、連れてってやるよ。」
「それは本当かい!? 楽しみだ。とても楽しみだよ!」
嬉しそうにするキースに顔がほころぶ。男ふたり月見酒。いつものオレなら野郎とかよと愚痴ひとつ漏らすが、キースとの晩酌は嫌いじゃなかった。むしろ好きな方だ。
「なぁ、キース。」
「ん? どうしたんだい?」
キースの瞳がオレに向けられる。きらきらと輝くその青い目に、オレはどんな風に映っているのだろうか。できれば、かっこよく映っていてほしい。なんて、ね。詩的だねぇ~。
「呼んだだけ~」
ふふーと笑うとキースは片山くん、からかわないでくれと笑い返す。月の光でキースの髪が反射するたび、オレの鼓動が脈打つ。とても、綺麗だ。流石ハンサム。絵になるぜ……。
「それじゃ、私はパトロールに戻るよ。長居してしまうと君に迷惑がかかってしまうからね」
そういってコップをテーブルに置き、キースは立ち上がる。室内にかけてある時計を見ると、結構時間がたっていたのに気づいた。
「おー、行ってらっしゃい。気ぃつけてな」
「行ってきます!」
いつものやり取りをしたあと、ピシッと敬礼をしてキースはヘルメットを被る。スカイハイの姿に戻った彼は、ベランダの柵に足をかけたあと、落ちた。その後にジェット機で上昇し、空を飛ぶスカイハイが遠くで見えた。
「……さーてと、さっそくマネージャーに電話だ。何がなんでも休日をもぎ取るぞ。」
オレは鼻息を荒くし、日中の疲れで寝ているだろうマネージャーを叩き起こすため、電話を手に取った。
「おっとっと!」
グラスから溢れそうになった泡に焦り、慌てて口をつける。しゅわっとした舌触りと苦味が口内に広がった。あーうまい。
「あっぶねー。もったいないことすんとこだったわ。」
故郷のビールを一滴も無駄にしたくないからな! 取り寄せるの苦労したんだぞ! ビールに合うように用意した枝豆をつまみ、ビールを喉に流し込む。あー幸せ。
「……あっ。」
空の彼方に飛行機雲が浮かんでいるのが見えた。いや、どっちかっつーとジェット雲か? 俺は室内に引っ込み、水が入ったコップとピッチャーを持ってまたベランダに戻ってきたときには、予想していた来客が向かいの椅子に座って待っていた。
「こんばんわ片山くん! 今日は晴れていい天気だ。絶好のパトロール日和だよ!」
ヘルメットを外し、完璧にリラックスしている金髪の好青年は歯を見せて笑う。キラーンと光ったような錯覚が見えた。うおっまぶしっ!
「こんばんわ。ほれ、水。」
「いつもありがとう! そしてありがとう!」
オレから水を受け取り、いただきますと言ってごくごくと勢いよく水を飲むこいつはスカイハイ。ご存じの通り、このシュテルンビルトのキングオブヒーローである。本名はキースというらしい。オレの家に弾丸のごとく(文字通りに、ね)突っ込んで来た日から、パトロール中にこうしてウチに訪ねて休憩してくるようになった。
キースの対面に座り、ビールを飲む。うまうま。合間に枝豆をつまんでいるとキースの視線に気づいた。物欲しそうな顔で枝豆を見るキース。
「キースも食べるか?」
枝豆の乗った皿をキースの方に押す。キースはパァっと嬉しそうな顔をする。
「いいのかい!?」
「まだまだあるしな。」
「ありがとう! あまり見ない食べ物だったから気になってたんだ!」
キースは枝豆を摘まむ。んんっ?と悩んだ顔をしていたが、オレが枝豆を食べているところをみて分かった表情をした。
「皮は食べれないからな~」
「なっ!? わ、私でもそれくらいは知っているさ!」
図星をつかれたのだろうワタワタした。キースは枝豆を指で押し、出てきた豆を食べる。キースの頬が上がるのが見えて、オレもつられて笑った。
「おいしい!」
「だろ?」
枝豆をプチプチと食べるキース。明るい表情になったキースを見てオレは心がじんわり暖かくなった。オレはビールで、キースは水で枝豆を摘まむ。
「片山くんはいつも、実に美味しそうにお酒を飲むね。」
「労働のあとの一杯のほど格別なものはねーぞ? アルコール万歳!」
いえーいとビールを掲げるオレにキースは微笑む。ほどほどにねとキースに言われてしまい、はーいと返事した。
「片山くんが美味しそうに飲んでるのを見ると、私もお酒が飲みたくなるよ。」
「なら今度、一緒に飲みに行こうぜ? うめえ酒だしてくれるバー知ってるから、連れてってやるよ。」
「それは本当かい!? 楽しみだ。とても楽しみだよ!」
嬉しそうにするキースに顔がほころぶ。男ふたり月見酒。いつものオレなら野郎とかよと愚痴ひとつ漏らすが、キースとの晩酌は嫌いじゃなかった。むしろ好きな方だ。
「なぁ、キース。」
「ん? どうしたんだい?」
キースの瞳がオレに向けられる。きらきらと輝くその青い目に、オレはどんな風に映っているのだろうか。できれば、かっこよく映っていてほしい。なんて、ね。詩的だねぇ~。
「呼んだだけ~」
ふふーと笑うとキースは片山くん、からかわないでくれと笑い返す。月の光でキースの髪が反射するたび、オレの鼓動が脈打つ。とても、綺麗だ。流石ハンサム。絵になるぜ……。
「それじゃ、私はパトロールに戻るよ。長居してしまうと君に迷惑がかかってしまうからね」
そういってコップをテーブルに置き、キースは立ち上がる。室内にかけてある時計を見ると、結構時間がたっていたのに気づいた。
「おー、行ってらっしゃい。気ぃつけてな」
「行ってきます!」
いつものやり取りをしたあと、ピシッと敬礼をしてキースはヘルメットを被る。スカイハイの姿に戻った彼は、ベランダの柵に足をかけたあと、落ちた。その後にジェット機で上昇し、空を飛ぶスカイハイが遠くで見えた。
「……さーてと、さっそくマネージャーに電話だ。何がなんでも休日をもぎ取るぞ。」
オレは鼻息を荒くし、日中の疲れで寝ているだろうマネージャーを叩き起こすため、電話を手に取った。
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