いただきます
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マグロさんが乗ってきたという車は当然ながら左ハンドルの外車で…黒くて格好いい高そうな車だった。…やっぱり儲かるんだね。
恐る恐る助手席に乗ると、飛ばすぜぇ!と悪い顔で私に告げると、グッとアクセルを踏んだらしく…凄いスピードで走り出した。
目まぐるしく変わる風景に恐怖を感じる。…大丈夫だとは思うけど、事故らないよね!?
「マグロさん、どこに向かってるんですか…」
「…本部だ」
車にも慣れた頃…口を開くと、本部。とだけ返事があった。…本部って暗殺本部?怖っ!!
とか思っているうちに街から外れ、森の中を暫く行ったところで車が止まった。…どうやら到着したらしい。
木々の間から見える、お城のような屋敷を呆然と見つめていると、先に降りたマグロさんがドアを開けてくれた。
「着いたぞぉ」
「…あ、はい」
さりげなく?私のキャリーを持って先を歩くマグロさんを追って歩くこと少し、屋敷の前にやってきてしまった。
大きな扉を躊躇いもなく開け放ち、堂々と入るマグロさんの後をコソコソと着いていくと…入ってすぐ正面にある階段の踊り場に金髪の青年がナイフ片手に待っていた。…金髪の青年の前髪長いけど、ちゃんと前見えてるのかな?
「しししっ、隊長どこ行ってたの?
…ってかソイツ誰?」
不思議な笑い声の青年に対してマグロさんは、この前言ってたヤツだ。とだけ言って隣をすり抜けていく。よく分からないけど、ペコリと青年にすれ違いざま頭を下げてマグロさんについていった。
そして辿り着いた一際重厚な扉を、やっぱり躊躇いもなくマグロさんは開け放つ…が、入って早々飛んできたグラスがマグロさんの頭に直撃して、割れた。…濃厚なお酒の香りと液体が茶色いことから、ウイスキーとかそういう類いだと分かった。
「うるせぇ」
そして、部屋の中からは無駄に威圧感のある声が聞こえた。…もしかして、物凄く偉い方?
「ザンザス!
…この前言っていたヤツが来たんだが、ここに住まわせてもいいかぁ?」
べっちょりぬれた髪を払いのけ、部屋の奥へと進みそう言い放った。…グラスを投げられたことに関して何も言ってないことや、勝手にしろ。というOK?の返事があった事両方に驚いていると、酒臭いマグロさんが戻ってきた。
「あの…大丈夫?」
思わず声をかけると、部屋に戻ってシャワーを浴びる。と返事があった。…そりゃ、酒臭いままとか…酒漬けマグロになっちゃうもんね。と訳分からないことを思い浮かべながら、またマグロさんの後を追って迷路のような廊下を進んだ。