いただきます
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マグロさんはイタリアへと帰ってしまった。…結局記憶を失った理由は教えてくれなかったし。
なんとなく広くなった気がする部屋で、つい間違えて買ってしまったマグロのアゴ身の塩焼きを頬張る。…まぁ、実際荷物を全て片付けてしまったから広いんだけども。
食べながら、さっき大家さんに言われた言葉を思い出す。…声が煩いから出て行け、か。煩いのは私じゃなくてマグロさんなのになぁ。
まぁ、約束通りマグロさんに全責任を負わせましょう。ニヤリ。と悪い笑みを浮かべながらキャリーケースを叩いた。
そして、予約していた飛行機に乗り…イタリアへやってきた。
のはいいけど、マグロさんの仕事場?は知らないし…手がかりは、何かあったらここに電話しろ。とマグロさんに言われ渡された電話番号の書かれた紙。
荒々しく書かれた数字を一つ一つ確認しながら、スマホで電話をかける。…電話は、4コールで繋がった。
『Pronto?』
「あ、もしもしマグロさん?」
『クコかぁ…!
随分早い電話だなぁ』
で、何のようだ?と続けて聞いてきたマグロさんに、イタリアにいる。帰る場所ナイ。と伝えると…物凄く怒られた。
耳が痛くなるほどの声で…スマホから耳を離しても声が聞こえるくらいに煩い。
「ってなわけで、たすけてーマグロさーん」
『…ッチ。
今どこだぁ?!』
舌打ちをしつつも、どうやら迎えに来てくれる様子のマグロさんに笑顔になりながら、空港。と現在地を告げた。…すると、すぐ行く!と電話が切れた。
すぐって…どれくらいの時間?と思いながら動くわけにも行かず、空港の入り口で棒立ちで待機。
結局1時間ほど経った頃、マグロさんが髪の毛を振り乱しながらやって来た。
「…待たせたなぁ」
「ううん、来てくれてありがとう」
最初拾ったときと同じ黒い服に身を包んだマグロさんは、車を止めてある。と私の腕を引いて先導してくれた。