いただきます
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マグロ大好きマグロさんを拾ってから数日が経った。
その数日で分かったのは…マグロさんが本当にマグロ好きって事と、大雑把だけど面倒見がよくて、変なところが細かい。ということだった。
「遅かったな、クコ」
「ただいま、マグロさん。
えっと…今日の晩御飯は?」
「ホホ肉のステーキだぁ!」
ニヤリとわらうマグロさんだが、そのホホ肉というのはどうせ牛肉じゃなくてマグロなんでしょう?と溜め息まじりに言うと、よく分かったな!と笑った。
そりゃ誰でも分かるよ…。買い物とご飯をマグロさんに任せてから毎日、マグロだもの。
マグロさんは見た目と違って家庭的というか、料理も得意らしく…素晴らしい包丁捌きで素材を切っていく。その様子を横目に湯船に栓をして、お風呂のスイッチを押す。
ゴポゴポとお湯が入っていくのを見てから部屋に戻り、定位置の机の前に座るとすぐさま料理が机の上に並び、私の前にマグロさんが座って晩御飯が始まる。
「それで、今日はどう?
何か思い出せた?」
「…全然ダメだぁ」
今日の成果を聞いてみたが、全然だったようで…その割に気にした様子もなく、モグモグとマグロを食している。
今までで思い出せたものは…出身地と年齢、身長くらいで全く意味がない。そんなもの思い出す前に名前思い出せ!とも思わなくもないけれど、思い出せないのなら仕方がない。
「明日は何か思い出せるといいね」
「…あぁ」
そうだなぁ。と苦笑したマグロさんを見ながら、ステーキを頬張った。