Fateful day.
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あぁ、ついにこの日がやって来た…恐れていた10月31日が。
リリーとジェームズの子供で、シリウスが名付け親のハリーが生まれてから1年と3ヶ月後の今日、あの臆病で大人しかったピーターが私達に牙をむく。
この日のために出来たことは、なんとかピーターが悪の陣営側につくのを阻止する事だけだった。
それも、ピーター達にバレないようにしなければならなくて、上手くいった気がしない。
「Happy Halloween!」
今年もハロウィンパーティは、ゴドリックの谷にあるリリー達の家でおこなわれる。
去年はハリーが生まれたばかりだったのでゴドリックの谷で。今年はハリーがまだ小さいからゴドリックの谷で…ということである。
私の前を歩いていたシリウスが、ポッター家のドアを開けながらにこやかにハロウィンの挨拶を告げる。
「Trick or Treat!」
シリウスの声に間髪開けずに家主のジェームズがニヤニヤとした笑みを浮かべて玄関に顔を出して、そう要求してきた。
このやり取りは学生時代から続くお約束のようなものだと私は認識している。
「はい、ジェームズとリリー…それから、まだ早いけどハリーに」
さっきまで私の中で切り詰めていた何かが零れていくのを感じ、おもわず溜め息をつきながらシリウスの横に並んで鞄から今日のために焼いてきたクッキーを差し出す。
鞄の中には、リーマスとピーターの分が残っている。
正直ピーターに睡眠薬とか毒を盛ってやろうと思わなくもなかったが、それが引き金で余計悪い方向へと進んでしまったら、と思って止めた。
「ありがとう、流石クコだね!
どこかの誰かさんとは大違い!!」
「うるせー。
一応、俺も手伝ったぞ」
「えぇ!パッドフットがクッキー作るなんて…明日は槍が降るんじゃないかな!?」
「じゃあ食うな!」
たかだかクッキーで騒ぎ始めた二人の横を通り過ぎ、リリーが待っているであろう部屋へと向かった。
…あわよくば、このままなにも起らず終わりますように。