XANXUSの居ない日々
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最初のページはスクアーロの写真で、微かにザンザスが苛立ったのが分かった。
それを無視して、まだ短い髪のスクアーロが逃げるベルを追いかけている写真や、ソファーでうたた寝している写真等々、一部盗撮ではないかと思われるような写真もちらほら混ざっている。
「スクアーロの髪が短いとか…懐かしい。
今の髪型も良いけど、この髪型けっこう好きだったなぁ」
スクアーロの正面からの口を開けて怒鳴っている様子の写真を指さしながら、そう言ってザンザスを見上げると…眼をカッ開いて写真を凝視していた。…なんか怖いし、ヤバイ感じがするので…そっとページをめくった。
次はベルのページで、カメラに向かって笑顔でナイフを見せている写真や、スクアーロやルッスーリアと喧嘩してる写真、それからソファーで熟睡してる写真もある。…何枚か私とのツーショットもあって、ルッスーリアに撮ってもらったのを思い出した。
「…この頃のベルは可愛かったなぁ。
いや、今もかわい…くなくもない?」
ハッ。と鼻で笑ったザンザスは、男が可愛いと言われても嬉しくないだろ。と言い放った。…確かにそうかもしれないけど。
「そうかもしれないけど、ベルって弟みたいで可愛い気がする。
そのせいか、ちょっと甘やかしすぎたかもしれない…」
良い笑顔で写っている写真を突きながら言うと、ザンザスは、そうか。とだけ言って勝手にページをめくった。
めくった先はマーモンの写真で、数も少なく、一人で写ってる写真も少なかった。…だって、お金をせがまれるし。
数少ない写真は、大体が誰かに抱えられているものか、移動中の隠し撮りのようなものばかり。
唯一お金を積んで取らせてもらった写真は、特別にルッスーリアが用意した衣装を着たもので、とても良い写真。…後ろに小さく満足そうなルッスーリアが入り込んでるのもまた味があっていい。
「マーモン、全然写真撮らせてくれなくって困ったんだよね…。
たとえ撮っても、肖像権とかって言ってお金請求してくるし」
あの手この手で仲良くなって、仲良し割り?で少し請求額が減ったのは良い思い出だ。…まぁ、消費税分くらいしか安くならないけど。
そういえば、この前マーモンに請求されたお金振り込んでない気が…。
「…次は、ルッスーリアだね」
マーモンについては一旦忘れて、ページをめくるとルッスーリアの写真が現れた。
その写真は、誰かと一緒に写ってるものが一番多く、ベルが抱きつかれて青い顔をしている物もあった。…他には、ふりふりエプロンで調理中の写真や謎の自撮り写真もある。
そういえば、撮ったものの中にルッスーリアご自慢のコレクションの写真があって、それは流石にアルバムに入れなかった事を思い出した。…その趣味の写真はデータだけ別に移してルッスーリアに渡したけど。
「ルッスーリアって、結構まともな方なんだけど…あの趣味は理解できない」
「だろうな」
ルッスーリアの趣味については深く考えず、ページをめくった。
あぁ、そっか…レヴィか。
私的な理由でレヴィの写真は少ない。…だって、レヴィこの頃から既に私に敵対というか、反発的というか…とにかく私と仲良くなかったから写真撮るのもままならなかったし。
「あ、そういえば…レヴィが"ボスにこれを見てもらう!"とか言って撮ったのがコレなんだけど」
珍しく私に頼み事をしてきたのを思い出して、その時に撮った写真…なぜか滝修行してる写真、を指さしザンザスに見せる。
すると、手のひらに憤怒の炎を集め始めたので…素早くページをめくった。
…そんなに嫌だったのか。気持ちは分かるけど!
そしてめくった先は、私の写真が載っていた。…あれ、撮られた覚えのないものが混ざってる?
思わず首を傾げた。
「これ、誰が撮って混入させたんだろ?
まぁ私の写真はともかく…最後の集合写真を見よう!」
廊下で躓いた瞬間の写真や、庭のベンチで寝てる写真なんて見たくない、とページをめくろうとしたが…ザンザスに手を掴まれ止められた。
何で止めるんだ。とザンザスを見上げると、もう少し見させろ、と言われた。
仕方なく自分の写真をぼんやり見ていると、満足したのかザンザスがページをめくった。
最後のページには大きな集合写真と、私が選んだ個別のベストスマイルが貼っていて…私が書いた"待ってる"という文字。
「みんな、待ってた。
…だってザンザスがヴァリアーのボス、だもんね」
自分で書いた文字を指でなぞりながらザンザスを見ると、当然だ。と笑っていた。