愛されたかった、君へ
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私は気になっている。とても気になっている。
――いつの間にか転生していた――そんな事ではなく、――過去に転生!?と思ったら、某魔法使いの児童書だった――という事でもなく、――主人公のいる時代かと思ったらその親の世代だった――なんていう事でもなく、――王道の獅子寮ではなかったものの、まぁこれまた王道の蛇寮になった――こんな事でもなく、――同級生で同寮のセブルス・スネイプの身嗜みが大変気になっている――という事である。これは大事なことなので、要注意!
私は常々…転生前から思っていたが、油分を多く含んだ黒髪が気になってしょうがないのだ。時々痒そうにしているし、入学してからかれこれ3年も経ったが、いい加減に気になって仕方ないったらない。耐えられない!
気になってるのはそれだけではないのだが、まずはそう!分かり易い頭髪から矯正してやるわ!と熱い気持ちで部屋の隅、一人本を読んでいるスネイプに後ろから声をかける。
「Mr.スネイプ、ちょっと良いかしら?」
ここは蛇寮。私は曲がりなりにも聖28一族(セイクリッド トゥエンティ エイト)と呼ばれる、間違いなく純血だとされる名門一家の長女なので、色々と大変なのだ。喋り方とか動作まで一族代表として云々ね…。そんなわけで、基本的にスリザリンとしてもお家柄的にも気取った態度が正解なのである。面倒この上ないけれど。
「・・・」
無言で振り返ったスネイプに、話があるの。と談話室に複数ある個室を指し示し、連行した。渋々とはいえ、大人しく付いてきてくれたことを少し喜びながら、上手く連れ出せた事にほくそ笑んだ。