晴れ、時々 嵐!?
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アーマーガアをかっ飛ばしてエンジンスタジアムへ到着。入り口のスタッフさんに事情を話すと書類を渡され、事前に読んでおいて下さいとのこと。まだ、開始時間には余裕があるため、会議室の近くのベンチで座って読んでおこうかと会議室の方へ向かうと、既に人が集まってきていた。人混みが苦手な私は、うわぁ。と思いつつ、一際賑わっているというか、うるせぇ所を見てみると…あの頭と声はキバナとダンデか。近寄らんでおこう。特に表情を浮かべてなかった顔をスンッ。とさせて、回れ右!をしようとした瞬間、キバナと目が合った!
「クコ!」
非常に嬉しそうに顔面をキラキラさせて、キバナは胴体に似合わぬ素早さで人混みを縫って秒で私の前へと躍り出た。元の場所に帰って、どうぞ。
「何でこんな所に?もしかして、スタッフ参加か?!」
「欠員が出たらしくて、ソレの代打」
渋い木の実を食べたときのような表情で、ワクテカしながらさらに距離を詰めてくるキバナを両手で押し返す。まぁ、デカくて無駄に筋肉のあるコイツには、ほぼ意味ないんだけども。
「そっか!!!!」
キラキラしたエフェクトが見えそうな表情のキバナだが、私の腰のボールからバチバチと電気が走っている。恐らく私の可愛い可愛いライボルトちゃんがキバナに威圧というか威嚇?をしてるんだろう。ライボルトちゃんはマジ天使だけど、意に介さないキバナが怖すぎる。
「なぁ、キバナ…なんかバチバチいってないか?」
後からやって来たダンデが、久し振りだな クコ。と軽く挨拶をした後に何の音だ?と首を傾げた。
「さぁ?気のせいだろ」
当事者のハズのキバナも首を傾げたため、この件は迷宮入りになった。なお、キバナの話しを聞いたダンデは、そうか!と良い笑顔で納得している。おいおい、トップクラスの2人がこの調子で大丈夫なのか?と思うが、私には関係無いことなので無言を貫いておいた。
「っと、そろそろ時間だな」
何故か名残惜しそうに私を解放したと見せかけて、腰に手を回してきたキバナが、会議室に入ろうぜ。と歩き始めた。そうなると必然的に腰をキャッチされている私は強制的に一緒に歩くことになり、一緒に会議室に入り、一緒に…
「まてまてまて…何故私を膝に乗せようとする???」
「え?」
「え?じゃない!!
そもそも、私はジムリーダーでもないので!あっち側の人!!」
椅子に座ったキバナから離れようとした瞬間、滅茶苦茶ナチュラルな動作で私の腰を掴んで浮かせようとしたキバナの鳩尾に肘鉄を入れる。割と頻繁に私を膝に乗せがちなキバナなので、油断も隙も無い。わりと力を込めてやった肘鉄もあまり効果は無かった様子で、ケロッとした顔で首を傾げているキバナに、ジムリーダーとチャンピオン以外が立って資料を持って待っている場所へ指を指し示すと、渋々といった表情で手を離したので、素早く他のスタッフ達の所へと移動した。
「話しでは聞いていたが、本当にキバナとクコくんと仲良しなんだな!」
「あぁ」
キバナの隣に座っているチャンピオン・ダンデが朗らかな笑みでキバナに話しかけ、キバナは満足げな笑みで頷いている。やめろし。
「そういえば、クコくんは鬼のホテルマンだったな。
ジムチャレンジもリーグ参加できるのにしなかったとか。
…そうだ!開会式で試合をしてもらうなんてどうだろうか!!」
むむん。と鬼のホテルマンとか、実に納得していない私の渾名を言ったかと思うと、ポン。と手を打ってダンデは笑顔でクソなことをはき出したのだった。