継承編
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屋上での騒ぎの後、吃驚するくらい顔色の悪い沢田くんとルンルンな獄寺隼人、山本くんは今日も元気に居眠りだし、古里くんは転校して来たばっかりだからまだオドオドしてるみたいだし、しとぴっちゃんは例外すぎてよくワカンネ。
まぁ、でも…推しが楽しそうで万事オッケー!である。個人的に。
そんなわけで、ま―――たマフィア関連の暴走ってか抗争?で戦闘があったと思うので、今回は...今回こそは!徹底傍観の構えです!!我、一般人!!!
と、思ってるんですけど!なんなの!!?
「おい、、雨草」
「…なに?」
休み時間、急に推しに声を掛けられて、ヒェっとなってしまって一拍反応が送れてしまったが、何とか返事が出来てホッとする。しかし、一体何の用だろうか...?
「…ん!」
「ん??」
グイッと差し出された獄寺隼人の掌には、可愛らしい鳥が彫られたゴツいシルバーリング。えっ?もしかしてエンゲージリング???あっ、調子乗りましたすみません。正直物凄く見覚えのある鳥さんのデザインです。コレ、私が未来で使ってた匣のルリビタキのルリリンじゃね??いやいや、まっさか~。そんなわけ無いでしょ。たとえそうであったとしても、なんで獄寺隼人が持ってるわけ???
「コレ、おまえのだろ」
「え??急になんなの?
…怖いんですけど!」
無理矢理私の手を掴んでリングを握らせた獄寺隼人に、全力でしらを切る。嘘をつくのは心苦しいけど、記憶無いフリさせていただきますっ!!
あぁ、この場に沢田くん居なくて良かった~!居たら超直感でバレてしまいそうだし。
「おま...記憶が無いのか?」
「…は?何言ってんの??
頭大丈夫???」
心苦しさで、渋い顔になってしまうのを自覚しつつ、何とか否定の言葉を絞り出すことに成功した!と思ったんだけどっ!!そんなタイミングで沢田くんがやって来て、一言。
「え、何言ってるの、雨草さん。
記憶あるくせに、冗談きついよー」
「!!」
「!!!??????」
「おい、どういうことだ!雨草」
「ふぇっ???」
唐突な裏切り(まぁ、沢田くんは裏切ったのではなく事実を言っただけだけども!)に驚いていると、一瞬で眦を吊り上げた獄寺隼人が私の肩を掴み、強請を掛けてきたのだ!一瞬流石マフィア!とか、そんな推しも格好いいとか思ってしまったけども!!そんなことより、肩、外れる...。
「わわわ!
獄寺くん!!雨草さんの痛そうだから止めてあげて!!?」
「っ!すまねぇ雨草、…大丈夫か?」
慌てて止めてくれた沢田くんのお陰で揺さぶりは止ったけども、シェイクされてたので、目が回る…。
「なんなの、もう…」
額に手を当ててじっとしていると、獄寺隼人が心配そうに私の顔を覗き込んできた。ちょっと!!ち・か・い!!!!