流転
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想像通りといってはアレだけど…やっぱりローの病気の治療は断られ、逃げるようにして苦労して通ってきた道を、これまたやっぱり苦労して船まで戻った。
そんな調子でいくつもの島を周り、医師に頼んでみても、ローの病気を治すことは出来なかった。
ローが日に日に弱り、やせ細っていく中…時折コソコソと誰かと連絡していたコラソンは、ついに治すことが出来る!と言いだし…雪の降りしきるミニオン島へとやって来た。
そして寒い中、コラソンが笑顔で私に、船で待ってろ。と告げた。これから今まで以上過酷な戦いがあるから、私を安全な場所に置いて行きたいらしい。
その気持ちも分かるし、自ら進んで危険なところに行きたいなんて思わない。…だけど、弱り切ったローとウッカリさんなコラソンを危険に送り出すなんて、したくない。
したくないけれど、それを止めるほど私は強くなくて…分かった、気をつけてね。と送り出すしかなかった。
「これ、前の島で買ったんが…俺には似合わないからクコちゃんにやるよ」
別れ際、小さな赤い宝石が埋め込まれた鍵モチーフのペンダントを突然私に手渡した。
それを見ていたローは、オレのは?とコラソンにしがみついていたけど…また今度な!と頭を撫でられてていた。
そして…コラソンとローは雪の中、私に手を振って離れていった。
寒い船の中長時間ひとり待っていると、遠くで爆音が聞こえた。…よく見ると雪山の一部に黒い煙が立ち上ってるのが見える。
もしかして。そう思うといてもたってもいられず…包まっていた毛布から立ち上がると、突如吹いた突風にあおられて船が揺れ、バランスを崩した私は倒れてしまい…その拍子に握りしめていた鍵が私の手から離れ、床を転がった。
慌てて手を伸ばすと、床の鍵が光を反射して…あれ、どこかで見た記憶が。そう思った瞬間に私の記憶は白く染まった。