拾いモノ
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目を覚ますと、見なれない部屋だった。
と、ちょっと意味深な事を思ってみたけど…ただの船長室というか、ローさんの部屋だ。
分厚い本がキチンと本棚に整列している、生活感のあまりない部屋だなぁ、と頭を掻きながらぼんやり見まわしていると…部屋の主と目が合ってしまった。
その時ローの表情はどこか優しげな表情に見えて、思わずジッと見つめてしまったけど…見間違いだったのかニヤリと笑った。
「やっと起きたのか」
パタンと読んでいた分厚い本を閉じたローは立ち上がって私に近づいてきたので、慌ててベッドから降りると…何故か頭をグリグリと撫でられた。
ちょっと、意味がわからないです。
「飯にするぞ」
「…えっと、ペンギンさんに呼ばれてたのは終わりました?」
「あぁ。とっくにな」
すでに部屋から出ようとしていたローは振り返って意地の悪い表情でそう告げると、さっさと部屋から出て行ってしまった。
それを慌てて追いかけて私も部屋から出る。
重々しい音をたてながら閉じていく扉の隙間から見える部屋を、何となく振り返って見つめた。
机の上の何かがキラリと反射した…気がした。