拾いモノ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
うん?…ここはどこだ?
周りを見渡す。
見た事のないような物で溢れ…てるわけではなく、見た事のあるものも沢山ある。
よっこらしょい!と心の中で掛け声をかけながら横たえていた体をおこす。
高い台の上に転がってたと思ってたら、どうやら怪しげなベッドというか、診察台?のようで…ベッドに腰をかけても足が床に届かないんですが。
うわー、どういう状況?と色々考えながら投げだした足をブラブラさせる。
視界に入った足は素足で、今身につけているのは…。
「起きたか」
ガチャリと開いた扉から現れた男は長身で強面で…うん、怖すぎるよ!
素早くベッドから降りて、ベッドの影に身体を隠しつつその男を見つめると…呆れた様に溜息をつきながら私に近づいてきた。
流石に逃げ場が無いことも分かっているので、非常に腹立たしいが…私に近づいて屈んで私の目をのぞき込んできたのは我慢してやる。
「…体調はどうだ?」
ムムッ。とガン見していると、私の頭を撫でながら思いのほか優しい声で語りかけてきた。
てか、グリグリと頭を撫でるのはやめていただきたい。
「ココは何処ですか?」
頭の上に置かれた手を払いのけながら聞くと、ギュッと眉間に皺を寄せて不機嫌そうに男は呟いた。
「俺の船の中だ」
そんなに広くない部屋だったので、やけにハッキリと耳に届いた。
そう言えば…エンジン音と船独特の揺れを感じるけど、そんな所に私がいるのか理解出来ない。
「何故わたしはココに?」
「拾った」
「…あ?じゃなくて、どういう経緯でわたしが落ちてて、貴方が拾うことになったんですか?」
思わずガラの悪い声が出てしまったので、慌てて取り繕いながら、わたしより少し上にある目を覗き込むと、男はわたしから視線をそらして片手で自分の顔を隠した。
かと思うと、ボソリ。と何かを呟いた。
「…えと、今なんて?」
「…俺は海賊だ。
気に入ったから拾った、それだけだ」
半ば叫ぶように言い放った男に、理由になってない!と心の中でツッコミを入れてしまったのは仕方ないよね。
直接言うのは見た目が怖すぎて無理!