近付く
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どうやら今は海面に出ているらしく、潜水艦…ポーラータング号の甲板へと人攫いローに連れてこられ、青い空が目に染みて眼を瞬かせている間にローが私を床に下ろした。
「あ、キャプテンとクコ!」
眼を瞬かせながら声の主…ベポを見ると、どうやらジャンパールさんと一緒に居たらしく、後ろで軽く頭を下げているジャンバールさんの姿が見えた。
その奥には、数人のクルーがローに気がついて作業?を止め、おはようございます!などという声が飛んできた。
歯を潰した武器を持っている人もいることから、どうやら模擬戦というか…訓練をしていた様子。
「急にどうしたの?
クコが驚くかもしれないって、訓練は見せないようにするって言ってたのに…」
「あぁ、ちょっと想定外の事があってな…クコに見せても問題ないだろう。
おい、おまえら!気にせず続けろ!!」
「アイアイ!」
ちょっとローが気になる発言をした気がするけど…気のせいと信じて、組み手を始めたベポとジャンバールさんを見ていると、隣に立っているローが私の手を引いて歩き出した。
ここに立っていてもすることは無いので、ローに引かれるまま着いていくと、見晴らしの良い場所に辿り着いた。
そして、その場所においてあった椅子にローはどっかりと座り込んだ。
…のはいいが、生憎椅子は一つしか無く、私は仕方なく立ったままローのすぐ横に立った。
ここからはクルー達の練習風景がよく見え、一段落したのか、ベポがこっちに向かって手を振っているので、私も振りかえしていると…いつの間にかローを尻に敷いていた。正確に言うと、尻に敷いているというか、ローの膝の上に座っているのだけど。
「…ロー?」
どこかご満悦のローを見上げると、ニヤリと笑われた。
おいおい…説明しろよ?と思って凝視している中、全く気にしていない様子のローは、隣のテーブルに積んである分厚い本を手に取り、読み始めた。
ちょっと興味を引かれて本を覗き見てみたけれど…英文かなにかのようで、全く読めない。
そもそも、この世界に漢字はあるようだけど…基本英語みたいで、文字とか読めないんだよ…。
することもないので、ローの上から退こうとすると…感づいたローがガッシリと私のお腹に腕を回して阻止してくるので、どうやら暫くはこのままじゃないとダメらしい。
あぁ、そういえばそろそろ洗濯の手伝いする時間だし、その後は部屋の掃除も手伝う予定だし…それから――。
これからの予定を思い浮かべながら、手伝えそうに無いことを心で謝っていると…燦々と降り注ぐ暖かい陽気に誘われ、ゆっくりと意識が遠のいていった。