転生編
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目を閉じれば、今でも思い出せる…前世の記憶と、雪が降り積もる街での記憶。
今は誰にも告げられないけど、いつか誰かに伝えたい。
その時、笑って居られるように…強く、生きなければ。
何度も繰り返した誓いを思い返し、ギュッと手にした練習用の木で作られた大剣に力を込めると…ビキリと亀裂が入った。
うわぁ、またやっちゃった!と生まれつき力が強いという超ありがた迷惑な状況に苦虫を噛み潰したような表情になる。
確かに死ぬ前、強くなりたい。と思ったのは事実だが…べつに怪力になりたかったわけではない。
はぁ。と溜め息を付きながらもひび割れた大剣を持ち上げて、素振りを再開する。
今の私は前世とは違う容姿で、髪色だって違う。
きっと、あの子達に会っても私だと気がつくことは、きっとないだろう。むしろそうあってくれ。
「リアン!」
遠くから兄が私を呼ぶ声が聞こえた。
…今の私はリアン・リル・ゲルディエ。
兄、アレックス・グラン・ゲルディエの2つ違いの妹で、もうすぐガイラルディア様の付き人予定の5歳の少女()だ。
私の記憶では、ガイの誕生日にホド戦争が起こり、ホドがなくなるという流れだったはず。
それが何歳だったか全く覚えていないし、私に何が出来るか分からないけれど…少しでも彼を守れれば良いと思っている。
そのためにも、今は力を付けて下準備をしなくては…。
振っていた大剣を下ろし、兄の声が聞こえた方へ向かって走った。