アズカバンの囚人
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さっさと宿題を終わらせて、悠々自適の夏休み…だったら良かったんだけど、私のヘアピンに住み着いたトムさんのお陰で全然悠々自適じゃなかった。
まぁ、宿題の分からないところとか聞けて良かったんだけど…毎回馬鹿にしてくるのはどういうことなのか、再三問いたいところである。
「ジニー、明日ダイアゴン横町へ出かけるんだろ。
準備はもう終わってるのかい?」
いつものごとく実体化したトムは、自分の杖でトントンと部屋の隅に立てて置いている私のトランクを叩く。
…最近トムは私の世話を甲斐甲斐しくしてくれている、気がする。
まぁ、気のせいだと思うんだけど。
「準備は出来てるけど…後で再確認するつもり」
そう言うとトムは、ふぅん。と興味なさそうな返事をして煙のように消えた。
ヘアピンに吸い込まれていく煙をなんとなく見つめた後、思わず溜め息が零れた。
確か今年は…シリウス・ブラック。
シリウスといえば、いずれ死ぬというか…消える。
出来ればそれを覆したい、が…どう足掻いても覆せるような力も知恵もない。
あぁ、そういえばシリウス脱獄だけじゃなくて吸魂鬼や人狼のリーマス・ルーピンもやってくるんだったっけ。
直接関わりはない、のだけれど…やっぱり憂鬱になる。
守護霊出せるように特訓しておくべき?と考えていると、チカチカとヘアピンが光った。
「不細工な顔で何をそんなに悩んでる?
教えてくれたら僕が力にやってあげても良いよ」
相変わらず馬鹿にしたような口調だったが、どこか私を心配してくれてるような…気がしなくもない。
コイツなら…運命から離脱した、日記のトム・リドルなら…全てを話しても良いかもしれない。賢いし。
…ともかく、今後どうしたいか。どうするのか。それを考えなきゃね…日記終わり!